2017-05

2016・8・24(水)山田和樹指揮日本フィル&尾上右近
歌舞伎×オーケストラ

     サントリーホール  午後1時

 山田和樹が日本フィルを指揮し、第1部ではレハールの「金と銀」、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」および「ラ・ヴァルス」を、第2部でベルリオーズの「ローマの謝肉祭」、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、レスピーギの「ローマの松」を演奏。コンサートマスターは千葉清加。

 「歌舞伎×オーケストラ」とはいっても、オケに合わせて舞台上で歌舞伎が上演されるわけではない。これは、「オーケストラの演奏」と「舞踊」の組み合わせである。前記のプログラムのうち、「ラ・ヴァルス」と「ローマの松」で、尾上右近の舞踊(尾上菊之丞振付)が協演する、という趣向だ。日本フィルとサントリーホールの共催による「とっておき アフタヌーン」なるシリーズの一環で、昨年の9月8日にも、同じ顔触れの協演で「春の祭典」が演奏されていた。

 舞踊の形は、原曲の内容を直接的に表わすものではなく、音楽の動きをただイメージ的に歌舞伎の舞踊に置き換えるものだが、今回は、音楽と、舞台上の舞踊の視覚的な効果とが比較的巧く合致していた。ゆえに、昨年のように演奏と舞踊とのギャップを感じさせずに済んだようである。
 移り変わる曲想は、照明の変化や、及び尾上右近のP席からステージ、あるいは平土間にまで立ち位置を変えながら舞踊を繰り広げる多彩な趣向に反映されていた。また、「ラ・ヴァルス」の終結部や「アッピア街道の松」のクライマックスでは、荒事も取り入れた舞踊で迫力が生み出され、音楽に相応しい効果が発揮されていた。

 今日のプログラムは、何か関連性がありそうで無さそうな、実際に聴いてみるとあまり釈然としないような選曲ではあったものの、とにかく山田和樹と日本フィルの演奏は、やはり「ラ・ヴァルス」と「ローマの松」が最も充実していたようである。
 とりわけ後者はすこぶる豊麗で幻想味に富み、「アッピア街道の松」では2階C席中央及びRC席及びLC席の階段のところに配置されたバンダがオケ本体と均衡を保ち、熱狂的な終結部を形づくった。
 足を豪快に踏み鳴らす尾上右近の舞踊もそれなりに迫力はあったが、このフィナーレではどうやら山田と日本フィルの豪壮華麗な演奏が歌舞伎の舞を圧倒してしまったような━━。

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