2017-03

2016・7・25(月)フェスタサマーミューザKAWASAKI
上岡敏之指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

    ミューザ川崎シンフォニーホール  7時

 秋の音楽監督就任を前に、上岡敏之が、「スペイン・ラプソディー」と題したプログラムを指揮した。
 これまでの彼の日本での活動からすると、彼でもこういう軽い曲を振ることがあるのか、とつい思ってしまうが、指揮者たるもの、当然ながら何でも手がけるわけだから、不思議はないわけで。

 前半には、シャブリエの狂詩曲「スペイン」、ビゼーの「アルルの女」第1組曲、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」が演奏されたが、これはまあ、「並み」の演奏。

 しかし休憩後のラヴェルの「スペイン狂詩曲」では、いかにも上岡らしい、念入りに神経を行き届かせた演奏が出現した。
 冒頭では、やっと聞こえるかどうかというぎりぎりの最弱音の弦が、息づまるほどの緊張感を生み出す。これで、この曲全体にも精妙な音の絡み合いがつくり出され、オーケストラも引き締まって行く。やはりこの人は、解放的な演奏よりも、こういうぎりぎり細部まで追い込んで緊張を高めて行くシリアスな音楽づくりの方に、強みを発揮するようである。今日の演奏の中では、この「スペイン狂詩曲」がいちばん充実していた。

 最後のラヴェルの「ボレロ」も、前半は最弱音を駆使したリズムで進められたため、全体に神経質で渋めのボレロになったが、管の一部にこの最弱音を保ち切れぬ傾向があったのが惜しい。
 アンコールは「アルルの女」からの「ファランドール」。賑やかではあったが、どこかピリピリして解放感のない音楽になっていたのがこの指揮者らしくて面白い。
 新日本フィルの今日のコンサートマスターは崔文洙。

コメント

夜への前奏曲、あの弱音の極みには真にまいりました!! あのかたの真骨頂、またしても魅せてくださいました。
スペインものは、B級になりがちなのですが上品な香りを漂わすのは、あのかたらしいです。(駄文の連投を失礼いたしました)

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