2017-11

2016・7・21(木)アントニオ・メンデス指揮スペイン国立管弦楽団

      サントリーホール  7時

 1942年創立のスペイン国立管弦楽団(65年創立のスペイン放送響とは別団体)、現在の首席指揮者はダヴィット・アッカムだそうだが、今回の来日公演の指揮者は、パルマ生れ、32歳のアントニオ・メンデス。客演だが、なかなかイキのいい指揮者である。

 プログラムは、最初の案から変更になり、ファリャの「スペインの庭の夜」、ラヴェルの「ボレロ」、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」、ファリャの「三角帽子」第1&第2組曲━━という選曲と配列になった。

 これらの中ではやはり何といっても、スペインの作曲家のものが堂に入った演奏だ。
 音色といい、リズムといい、湧き立つ躍動感といい、物憂げな表情の中に見え隠れする艶やかさといい、惚れ惚れするような素晴らしさである。「スペインの庭の夜」の最初の官能的な色彩感からして、これこそまさにスペインのオーケストラだな━━という独特の雰囲気をいっぱいに撒き散らす。見事なものだ。
 「フランスの作曲家」の「ボレロ」も、やや大味なアンサンブルとバランスの演奏とはいえ、もちろん悪くはない。ただ、真正スペインものの演奏には、異論を認めぬほどの民族的な底力があふれている、ということである。

 プログラムは、もともと時間いっぱいの量だった上に、楽器の配置換えなど舞台転換の時間もかかったし、しかも2人のソリストがそれぞれ2曲もソロ・アンコールを弾いたものだから、恐ろしく長くなった。
 つまり、「スペインの庭の夜」でソロを弾いたピアノのジュディット・ハウレギが、アルベニスの「アラゴン」と、モンポウの「庭の乙女たち」を弾き、「アランフェス」を弾いたギターのパブロ・ヴィレガスが、タレガの「グラン・ホタ」と「アルハンブラの思い出」を弾いたのである。
 オーケストラ・コンサートでソリストが2曲もアンコールを弾くことには、私はもともと大反対なのだが、今回のように、演奏があまりに鮮やかで、しかもいい雰囲気を漂わせていると、文句も言えなくなる。

 最後の曲目「三角帽子」に入った時にはすでに9時を回っていたけれども、冒頭からティンパニとトランペットが華やかに響きはじめるその勢いの良さに、時間のことはたちまち忘れてしまう。
 これが終ったのが9時35分。しかもそのあと、メンデスとオーケストラは、チャピの「前奏曲」、ビゼーの「カルメン」前奏曲、ヒメネスの「ルイス・アロンソの結婚」の「間奏曲」━━と、何と3曲もアンコールを演奏したのだった。終演は何と、9時50分を過ぎた。

 お客さんも、よもやこんな時間になるとは思わなかったろうが、もうこうなったら・・・・というノリだったのではないか。「カルメン」では、客席から自然に手拍子が沸き上がり、メンデスもこれを煽り立てる。
 オーケストラがやっと舞台から引き上げはじめた時刻は、10時直前だった。
 招聘元マネージメントは、ホール使用料の時間超過料金に頭を悩ませたのでは?

コメント

純系

見た目もメンバー表上も、最近では珍しい国際的ではないスペイン純系と言っていいオケである。スペインのオケと言うと、何故かマルケヴィッチを思い出す。東条先生書かれたスペイン放送響のシェフ就任後来日した彼が、ステージ上のインタビューで、いきなり「スペイン放送響と日本フィルの楽員交換をやりたい。」と言い出し、日本フィル関係者が慌てて打ち消していたことを。フランコ政権当時のスペインにマルケヴィッチが、という意外性と、FCバルセロナの弾丸ツアーがある現在とはまるで違うが、国立管26年ぶりの来日公演は、サービス精神溢れるものになった。休憩中、ピアニストのサイン会をやっていたが、終演後のギタリストのサイン会はやったのかしら、あの時間で。

関西では28日に京都コンサートホールにて公演ですが、ギタリストだけのようです。それでも「民族性」とか「純系」とかお聞きして、これはもう大阪帰宅は日付変更を覚悟。それでも拝聴したい公演です!楽しみ~!!

最前列の「オレオレ」おじいさん・・・

7月28日の京都コンサートホールでのBプログラムを拝聴しました。ギタリストのみの公演です。東条先生や読者さんのおっしゃる通り、「民族的底力」「純系」の演奏は素晴らしかった!ただ・・・ 最前列のど真ん中のおじいさんが、最初から最後まで、「ブラボー!」「オ・レ!」の連発。それもタイミングと空気が完全にずれてます。最初は微笑んでおられたオケの皆様も、「三角帽子」の途中で「オ・レ!」が入った瞬間、無表情になられました。(わぁ・・・やっちゃった・・・)という会場の雰囲気。最前列のど真ん中のでは、オケの方々もやりにくかったでしょうに。クラシック若葉マークの私ですら、恥ずかしかったです。ギタリストの方のアンコールでも、フラブラがありましたし、ああ、やっちゃった・・・。スペイン国立管弦楽団の皆様、素晴らしい演奏を有難うございました!これに懲りずに、又来日してね!

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2487-12d612f9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」