2017-03

2016・6・25(土)キュッヒル・クァルテットのシューベルティアーデⅢ

     サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 7時

 横浜での演奏会のあと、首都高をのんびり飛ばし、赤坂へ移動。

 「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2016」もあと1日を残すのみ。キュッヒル・クァルテットの「シューベルティアーデ」は、出来れば3日とも聴きたかったところだ。辛うじて今日、ツィクルスの最終日を聴くことができた。

 おなじみのクァルテット━━ライナー・キュッヒルとダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン)とハインリヒ・コル(ヴィオラ)、ロベルト・ノーチ(チェロ)らの顔ぶれを見ると、何となく懐かしく、ほっとした気持になるから不思議だ。今日は弦楽四重奏曲の「第12番《四重奏曲断章⦆》と「第9番」、それに堤剛が第2チェロとして特別参加しての「弦楽五重奏曲」というプログラムが組まれている。

 クァルテットのメンバーのうち、ノーチだけはハンガリー生まれだが、あとの3人はオーストリア生まれである。同じ国の血が流れている作曲家の作品を演奏して、有無を言わせぬ説得力がある。キュッヒルの演奏が少しくらい粗くても、それが何だ━━という気がしてくる。
 「四重奏曲断章」の瑞々しい美しさ、心に染み入って来る豊かな情感、あまり面白いとは言えない「第9番」をさえ魅力的に聴かせてしまうウィーンの名手たち。

 ただ惜しかったのは、「五重奏曲」での第2チェロの音色とニュアンスがクァルテットの4人とやはり異質で、特に第2楽章でのピッツィカートが他の4人と溶け合わず━━それは善し悪しの問題ではなく、身体に流れる「血」の違いのせい、と言ったらいいか━━この楽章の夢のような陶酔感を再現するまでにいたらなかったことだろう。これは、やはり同じウィーンの奏者が加わって演奏してもらいたかったところだ。
 ではあってもこの「五重奏曲」は、やはり並外れた、卓越した演奏だったことには間違いない。第1楽章での大河のごとき音楽のうねりなど、それはもう、本当に凄いものだった━━。

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