2017-04

2016・6・24(金)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

      サントリーホ―ル  7時

 ベルリオーズの序曲「宗教裁判官」、デュティユーのチェロ協奏曲「遥かなる遠い世界」(ソリストはジャン=ギアン・ケラス)、ブルックナーの「交響曲第3番」(ノーヴァク版第3稿)。コンサートマスターは長原幸太。

 「宗教裁判官」は、ベルリオーズ・ファンの私から見ても変な曲だし(失礼!)、さすがのカンブルランも作品に新しい生命を吹き込むというところまでは行かなかったのかもしれない。
 それゆえ、第1部でのハイライトは、疑いなくデュティユーの協奏曲である。この曲をナマで聴いたのは確かこれが3度目・・・・しかし今回ほど、この曲のピアニッシモの中に拡がる豊かな空間性といったものを強く感じ取れたことはなかった。

 ケラスのソロも沈潜して、美しい。ただし、彼がそれより大きな拍手を贈られたのは、アンコールで弾いたバッハの「無伴奏チェロ組曲」第1番の「プレリュード」においてである。その自由自在な感興にあふれたソロは、たとえようもないほどの素晴らしさだった。

 カンブルランのブルックナーは、昨年の「7番」がすっきりした演奏だったのを思い出したが、今回の「3番」は、曲想のためもあって、かなり力動感に富んだ演奏となり、読響のがっしりした重量感たっぷりの音構築が生きていた。これは、オルガンの和声が大伽藍に木魂するような音・・・・ではなく、つまり所謂宗教性を備えたブルックナー像を描き出すのではなく、オーケストラのダイナミズムを前面に押し出した演奏と言ったらいいか。その意味では、すこぶる痛快な「3番」である。

 LC席で聴くと、管弦楽のバランスがちょっと風変わりなものに━━ドイツ系指揮者がやるような論理的な構築の音響とは違い、自由で即興性を滲ませたものに感じられたのだが、このへんがフランス人指揮者カンブルランの感性を示しているようで、面白い。
 読響は快演、ソロも快調である。

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