2017-09

2016・6・17(金)飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団
「ハイドン・マラソン」第5回

   いずみホール  7時

 1カ月ぶり、大阪に。
 日本センチュリー響が年間4回開催している「いずみ定期」。首席指揮者・飯森範親が振る「ハイドン・マラソン~ハイドンの交響曲全曲演奏」が2年目に入っている。
 今日は「第19番」「第58番」「第7番《昼》」という選曲で、それに加え、2曲目にモーツァルトの「オーボエ協奏曲」がおかれ、ハンスイェルク・シェレンベルガーがソリストに迎えられていた。

 JR大阪城公園駅の近くにある「いずみホール」は音もいいし、内部の雰囲気もいいので、私は好きだ。821という座席数は東京の紀尾井ホール(800席)とそう変わらないが、空間的には段違いに広々として、通常編成のオーケストラにはちょうどいい。
 音響の面でも、ザ・シンフォニーホールより豊かな感じがする。日本センチュリー響も、こちらで聴いた方が良い音で響く━━と言っては失礼にあたるかもしれないが、実際このような古典派の作品を演奏するには、このホールはベストだろう。

 今日のハイドン&モーツァルトも、予想を上回る見事な演奏だった。
 コンマスは荒井英治(首席客演コンサートマスター)。弦は6-6-4-2-2の編成。ノン・ヴィブラート奏法中心で、管楽器群とのバランスも良い。アンサンブルが引き締まったものだったこともうれしい。この古典の交響曲連続演奏の路線は、たしかにオーケストラのために有益だろう。

 「19番」での演奏は引き締まって安定し、「58番」では少し柔らかく厚みのある演奏となり、サンフォニー・コンセルタントかコンチェルト・グロッソの趣もある「7番」では各パートのソロも決まっていた。
 ライヴ・レコーディングを意識したためか、やや慎重な演奏という感もないではなかったが、充実したものだった。飯森がこのツィクルスに賭けた狙いも成功していたようだ。

 ゲスト・コーナーともいうべきモーツァルトの「オーボエ協奏曲」では、やはりシェレンベルガーのソロが魅力的だった。
 テクニックの点こそ、往年のようにとは行かないけれども、ベルリン・フィルの顔の一つとして愛されたあの美しい音色は今も変わらない。何より、演奏にえも言われぬ「味」というものがある。

 第3楽章最後のカデンツァの中に「後宮よりの逃走」の「オスミンのアリア」の一節をまるまる引用して織り込む洒落っ気を見せつつ━━もともとこの楽章の主題はそのアリアと深い関係性を持つものだが━━追い込み追い上げ、華麗に締め括る。聴衆からは熱狂的な拍手とブラヴォーが沸き起こったのである。
     ☞別稿 モーストリー・クラシック9月号 公演Reviews

コメント

私も拝聴しました。

東条先生もいらっしゃってたのですね!私、ハイドンマラソンは初めてです。秋にカメラータ・ザルツブルクの指揮をなさるシェレンベルガーさんのオーボエがお目当てでした。ほんと、何とも言えん味にうっとりしました。ハイドンマラソンは二年目だそうですが、オケはこういう風に実力をつけていくものなのですね。お見事でした。隣席のおじさんが「ハイドンのこういう曲はあまり生演奏あらへん。日本センチュリーさんは流石や。」と一言。心地よいひとときでした。

後半は

楽しみました。が、前半はどうも・・・
《第19番》は、"無策" と感じました。
《コンチェルト》は、(シェレンベルガーの音色にはそれほど魅力を感じないのですが) 、彼の吹き振りだったらどうだったのだろう。2014年10月の「新日フィル」では、もっと "のびのび" していたような気がします。
あの時の彼、モーツァルトの後に《幻想交響曲) を振り、アンコールに《後宮よりの逃走・序曲》! そのセンスの良さに脱帽でした。

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