2017-06

2016・6・13(月)ドミトリー・マスレエフ ピアノ・リサイタル

      浜離宮朝日ホール  7時

 昨年(2015年)のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門優勝者マスレエフの演奏をナマで聴くのは、多分これが2度目。
 最初は昨年のPMFオーケストラとの協演で、あの時にはゲルギエフの指導があったのか、清澄な音色と瑞々しい表情でラフマニノフの「第2協奏曲」を、どちらかといえば「控えめに」弾いていたのが印象的だった。
 今回はソロ・リサイタルだから、彼も自己の感性を自由奔放に出していたのだろう。

 私の好みの所為もあろうかと思うが、リストの「超絶技巧練習曲」の「狩」や、サン=サーンス~リスト~ホロヴィッツ編の「死の舞踏」のような、技巧全開で「叩きまくった」演奏よりも、バッハの「パルティータ第1番」やシューマンの「ソナタ第2番」、メトネルの「追想のソナタ」でのような、くっきりとした構成と瑞々しい清新な表情に充ちた演奏の方がはるかに良かった。
 特にシューベルト~リスト編の「水に寄せて歌う」での夢幻的な波打つ演奏は、このピアニストのただものでない素質を感じさせたのである。

 ただ、そういう美しい演奏の時にはふつうの静かな拍手だけなのに、ピアノも壊れんばかりに叩きまくった演奏にだけブラヴォーが飛ぶというのは、どうも納得が行かない。
 メイン・プロが終了したのが8時40分頃で、直ちにアンコールが始まったが、この調子では、怒号するピアノばかり聴かされるのではないかという恐れが先に立って、早めに失礼してしまった・・・・のだが、その後はどうなったろうか。

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アンコール

初めて投稿させていただきます。アンコールは6曲演奏されました。ハイドン:ピアノ・ソナタ第48番第2楽章、チャイコフスキー:子守歌(18の小品作品72第2曲)、メンデルスゾーン(ラフマニノフ編):「真夏の夜の夢」のスケルツォ、チャイコフスキー:性格的舞曲(18の小品作品72第4曲)、スカルラッティ:ソナタ二短調K1、カプースチン:8つの演奏会用練習曲作品40より第3番「トッカティーナ」です。古典~チャイコフスキー~超絶技巧という3曲ずつのセットが2セット弾かれた感じでした。超絶技巧系の2曲は会場は大いに沸きましたが、東条先生の好みには合わない演奏だったかもしれません。ハイドンは高速演奏、スカルラッティは普通の演奏、チャイコフスキーの性格的舞曲はバリバリの演奏だったので、チャイコフスキーの子守歌のみが先生の好みに合う演奏だったと思います。アンコールという性格もありますが。昨年のショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールの第1位と第2位の5人はすべてソロ・リサイタルを聴きましたが、私見ではマスレエフが1番良かったです。イマジネーションが豊かで、表現の引き出しが多く、1番伸びしろが大きいように思いました。是非再来日してほしいピアニストです。

お疲れさまです。 “そういう美しい演奏の時には普通の静かな拍手だけなのに、ピアノも壊れんばかりに叩きまくった演奏にだけブラヴォーが飛ぶというのは、どうも納得がいかない”  私も全く同感を覚えました。でもこれは、この日に限らずこの国の聴衆の特徴のような気がします(私は海外でコンサートを聴いた経験はありませんが、録音ではプライヴェート盤を含めかなりの数のライヴを聴いているので比較すると)。素晴らしい演奏なのに、静かに終わると拍手も消え入りそうで「アレレ??」と思うことはしばしば。そのためか(マーラー:「9番」など、ごく一部の場合を除けば)来日公演では盛り上がって終わる曲が選定されることが多く、結果似たようなプログラムばかりが繰り返される要因の一つとなっているのかなぁ?と思いました。 数年前、J・ジャッド/都響 V・ウィリアムズ:「5番」で、熱狂的なブラヴォーが飛び交っていたのは珍しい例外の一つ。

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