2017-09

2016・6・12(日)クァルテット・エクセルシオのベートーヴェン

      サントリーホール ブルーローズ(小ホール)  2時

 サントリーホール恒例の「チェンバーミュージック・ガーデン」は、今年は6月4日から26日まで開催。毎年その中核を成すのが「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲ツィクルス」だが、今年は日本の四重奏団「クァルテット・エクセルシオ」がそれを受け持っている。その第3日、「4番」「7番」「16番」というプログラムを聴く。

 クァルテット・エクセルシオは、西野ゆか(1vn)、山田百子(2vn)、吉田有紀子(va)、大友肇(vc)。1994年に結成され、メンバーは第2ヴァイオリンを除き、結成以来不動の顔ぶれ。第2代の山田百子でさえ既に加入以来13年になるのだから、日本の弦楽四重奏団としては稀有の存在と言っていいだろう。
 年間70回以上の公演を行うというから、これも立派なものである。

 演奏も、曲の隅々まで丁寧に組み立てたものだ。思い入れも、持って回った誇張もない。自然体のまま、ひたすら作品を正確に再現しようという姿勢には、ある面では好感が持てる。
 ただそれが、どれもいかにもきちんとした佇まいで、テンポの動きや音の線の絡みに情感的なものが不足し、音楽に余裕のようなものを失わせる結果を生んでいないだろうか? 「第16番 作品135」の、特に最終楽章での演奏など、ベートーヴェン最晩年のユーモア、皮肉、洒落っ気といった要素がもっと出ていてもいいのではなかろうか。テンポの変化の点でも、あまりに音符を几帳面に追い過ぎてしなやかさに不足するきらいがあるように思われる。

 だが、中期の傑作「第7番《ラズモフスキー第1》」はエネルギッシュな追い込みが成功していただろう。どの曲もスコアの指定通りに反復を行ったため、この3曲だけでも結構な演奏時間となっていた。

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