2017-10

2016・6・8(水)ヒラリー・ハーン リサイタル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 昨夜の庄司紗矢香の演奏も凄かったが、今日のヒラリー・ハーンの演奏も、それに勝るとも劣らない凄さだ。
 ヒラリーの今回の来日ツアーは、9日間で7回のコンサート。ただし東京の他には、松本、名古屋、西宮での公演である。庄司紗矢香のそれとは違って比較的移動しやすい範囲のスケジュールであろう。

 こちらのプログラムもすこぶる個性的で、前半にモーツァルトの「ソナタ ト短調BWV379」、バッハの「無伴奏ソナタ第3番」。後半にはアントン・ガルシア・アブリルの「無伴奏ヴァイオリンのための6つのパルティータ」から「無限の広がり」と「愛」、コープランドの「ソナタ」、ティナ・デヴィッドソンの「地上の青い曲線」という曲目構成。ピアノの協演はコリー・スマイスである。

 ヒラリー・ハーンの演奏には、コンチェルトの時も、ソロの時も、常に胸を躍らせてくれるようなスリル感が伴う。張り詰めた知的な叙情と昂揚、寸毫も隙のない音の密度、クライマックスに追い込んで行く強靭な力感━━これまで演奏に一度たりとも不満を感じさせられたことのないヴァイオリニストだ。
 バッハとモーツァルトでの音の明晰さも素晴らしい。たった一つのヴァイオリンの中で、こんなにも多様なポリフォニーが交錯するのかと、ただ嘆賞するのみである。

 後半のプロは、コープランドのソナタ以外はヒラリーのために作られた曲ばかり。いわば彼女の「自画像」を演奏しているようなもので、これもまた彼女のリサイタルらしい趣向であった。
 アンコールは、佐藤聡明の「微風」、ターネジの「ヒラリーのホー・ダウン」・・・・まで聴いて失礼した。

コメント

西宮

6/11日西宮で聞きました。曲目は同じでアンコールは佐藤、ほか2曲、1曲は世界初演と日本語で紹介した。東条さんの的確を極めるコメントどうりでした。6/5日同ホールのクレメル/ドウバルグ(恐るべきピアニストになるかも)が骨と皮までそぎ落とす創造とすれば彼女は若々しいオリーブの実のごとくである。古典も現代曲も軽々とクリヤーしそのヴィオリンの音の美しいこと。終わってサインの列が通常の1.5倍にふくらんでいた。まれなる一日。

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