2008-09

7・10(木)ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団

  サントリーホール

 しばらくあざとい(?)音や演奏に浸っていた耳に、この落ち着いたトラディショナルなバッハは、実に温かく響く。

 ゲヴァントハウス管弦楽団のメンバーによる指揮者なしの、コンサートマスターのクリスティアン・フンケがリーダーとなっての演奏は、このオーケストラの母体が今なお保持する個性を改めて明らかにしてみせる。
 「ブランデンブルク協奏曲」の「1番」「2番」「4番」は、ベテランの滋味ある語り口とでもいうべきものだろう。 特に「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」での緊密な演奏はすばらしく、第3楽章は息を呑ませる緊迫度にあふれていた。 

 ただ、「チェンバロ協奏曲」の「2番」と「5番」を、このオーケストラのコントラバス奏者ラインハルト・ロイシャーがギター協奏曲に編曲したものは、試みとしては面白いが、結果としてはあまり納得が行かない。
 ソロの村治佳織の腕はたいしたものには違いないが、ギターの演奏のルバートと、泰然たる古豪オーケストラのイン・テンポの表情とは、どうも相容れないものがあるようだ。オーケストラのメンバーがパリパリの若手で、伝統にこだわらぬ演奏のできる人たちだったら、あるいは異なった様相を呈したかもしれない。

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