2017-06

2016・5・8(日)サンデーコンサート 日本フィル創立60周年記念

     東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 フォーマルな創立記念年祝賀演奏会ではなく、会員対象のお祭りコンサートといった趣で、終演後にも会員と楽員の交流パーティを開催する。いかにも日本フィルらしい行事である。
 そのパーティは同劇場2階のレストランで行なわれたが、協演した日本フィルハーモニー協会合唱団の方は、別に隣のレストランで打ち上げパーティを行なっているという、何だかよく解らないけれど、賑やかな日曜午後となっていた。

 演奏会での指揮はアレクサンドル・ラザレフ、ピアノは若林顕、コンサートマスターは木野雅之。
 プログラムは、グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」と「白鳥の湖」組曲、ボロディンの「イーゴリ公」から「ポロヴェッツ人の踊り」、最後にグリンカの「皇帝に捧げし命」より「終幕の合唱」。

 拍手の中を小走りに登場したラザレフは、指揮台に飛び上がり、満員の客席に慌ただしく一礼するが早いか、振り向きざまに猛然と指揮を始める。例の調子だ。
 楽員も最初は立って答礼していたわけだから、座った途端に音を出すこの早業は、見上げたものだ。
 何しろ曲は威勢のいい「ルスランとリュドミラ」序曲、冒頭から盛り上げて煽るにはこの方法に限る。もしこれを、ゆっくり着席させて、それからじっくりと神経を集中して・・・・といった調子で始めたら、全くクソ真面目な、格式ばった演奏会になってしまうだろう。

 とまあ、そのクソ真面目でない、楽しいところは取り柄なのだけれど、この日の演奏は、最初から最後まで、ドッシャンガッシャン鳴りわたる猛烈なものになった。もしラザレフと日本フィルの演奏を初めて聴いた人がいたら、まあ何という指揮者とオケだろ、とびっくりしたかもしれない。
 だが幸いなことに、このラザレフと日本フィルが、普段はどんなに見事な演奏をしているかを、われわれは充分に心得ている。したがって今日はあくまで気軽なお祭りイヴェントである━━ということで、クスクス笑って聴き終えたことにしよう。

 それにしても、ラザレフの指揮するロシア・オペラを日本で聴ける機会がなかなかないのは残念だ。ボリショイ劇場芸術監督時代の彼が、どんなに壮大で劇的な音楽をつくる指揮者だったか。それは、当時の「皇帝に捧げし命」や「オルレアンの少女」のライヴ上演映像で、その片鱗を窺い知ることができる。
 首席指揮者の任期は間もなく終わるにせよ、日本フィルとの縁が切れぬうちに、せめて演奏会形式で、今度はシリアスなスタイルで、何か指揮してくれる機会が出来ぬものか。

コメント

ラザレフの指揮するロシア・オペラ

「ラザレフの指揮するロシア・オペラ」とのコメントに大変懐かしい公演が思い出されました。1989.7.2神奈川の県民ホールでボリショイ・オペラの来日公演の初日が「ボリス」で確かこの日だけラザレフの指揮(他日はフェドセーエフ)で感動的な「ボリス」の公演でした。ボリショイの若き芸術監督就任後のオペラ公演から年月を経ていますが、再度ラザレフの指揮でロシアオペラを聴きたいものですね。

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