2017-05

2016・4・12(火)フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮東京都交響楽団

     東京文化会館大ホール  7時

 今回の定期はストラヴィンスキー・プロで、「ペトルーシュカ」(1911年版)と、「火の鳥」(1910年版)。コンサートマスターは矢部達哉。

 2曲ともオリジナル版でやってくれるというのが良い。ストラヴィンスキーのこの初期の大バレエ曲は、やはり最初につくられたこれら4管編成の版の方が、色彩感もはるかに豊富だし、バーバリズム的な要素も強く浮き出ていて、面白い。
 オーケストラにとってはカネのかかるシロモノだから、のちに編成を縮小して改訂された版よりも演奏回数は少ないようだが、聴き手にとっては千載一遇の好機で、ありがたいことには違いない。

 「ペトルーシュカ」は、かなり固く鋭い、攻撃的な音色とリズム感で演奏された(聴いた位置の所為でもないだろう)。これがロトの意図だったとすれば、おそらく後半の「火の鳥」との音響的な対比づくりを考慮したのではなかろうか。
 「火の鳥」の方は、数少ない爆発点を除き抑制した構築で、むしろミステリオーゾな要素を強く打ち出す演奏になっていた。「ペトルーシュカ」が生き生きした人間的な人形の物語であるのに対し、「火の鳥」は超現実的なお伽噺の世界であることを考慮しての対比だったのだろうか? もう少し残響の長いホールで聴けば、「色彩感」もさらに豊富に出ただろう。

 以前、何かのパーティで、池辺晋一郎さんがある人のスピーチを評して、「○○さんの話は《火の鳥》の最初のところみたいなものだ」と言ったことがあった。つまり、いつになったら本題に入るのか分からない、という意味である。巧いことを言うものである。

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