2017-10

2016・3・29(火)エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団

     東京文化会館大ホール  7時

 桂冠指揮者エリアフ・インバルの指揮。モーツァルトの「ピアノ協奏曲第27番」とショスタコーヴィチの「交響曲第15番」が演奏された。コンサートマスターは矢部達哉。

 モーツァルトの協奏曲を弾いたのはクンウー・パイク(白建宇)である。
 彼の演奏をナマで聴いたのは本当に久しぶりだ。生真面目に、確然と音楽を組み立てる彼の演奏は少しも変わっていない。今日のモーツァルトでも同様で、第1楽章カデンツァの部分など、その良くも悪くも真面目な一面が如実に表れていただろう。
 往年の名レコード評論家あらえびすが、エドウィン・フィッシャー(1886~1960)の演奏した初期のレコードを聴いて「素晴らしい。が、こいつは矢張りプロフェッサーだ」と言ったという話があるが(「名曲決定盤」中央公論社刊、)何となくその言葉が頭の中をよぎったのは事実である。

 しかも、インバルが都響を指揮して引き出す音楽がまた理路整然たるものだから、格調は高いけれども何となく肩の凝るモーツァルトになっていた感もあった。もっともパイクはそのあと、アンコールとして「トゥーランドットの居間」(ブゾーニ)を弾いたが、こちらは極めて密度の高い演奏だった。こういう生真面目(?)な作品の方が彼には合っているようである。

 ショスタコーヴィチの「15番」は、これもインバルらしく森厳荘重な指揮で、最後まで端然たる姿勢を崩さぬショスタコーヴィチ、とでもいったような趣だったが、その分、終楽章のあの鬼気迫るような幕切れが、少々即物的に構築された印象もあるだろう。
 何しろ、このホールはあまり残響がないから、音のすべてが白色の光の中に曝されるという感じになり、それが演奏の印象にも影響して来る。金管に少し聞かれた不揃いも、サントリーホールで聴けばそれほど気にならなかったかもしれない。

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