2017-03

2016・3・11(金)ロータス・クァルテット

     サルビアホール・音楽ホール  7時

 JRと京浜急行の鶴見駅前、横浜市鶴見区民センターの中にあるサルビアホールの音楽ホールで行われている「クァルテット・シリーズ」を、先月に続いて聴きに行く。

 今日の出演は、シュトゥットガルトに本拠を置くロータス・クァルテット。1992年に結成された小林幸子、マティアス・ノインドルフ、山碕智子、斎藤千尋の4人からなる、あの名門メロス・クァルテットに師事した弦楽四重奏団である。
 プログラムはベートーヴェンの「第14番 作品131」と、シューベルトの「弦楽五重奏曲」だったが、後者には彼らの先生たる元メロス・クァルテットのチェリストだったペーター・ブックがゲストとして加わった。

 さすが四半世紀のキャリアを持つ団体にふさわしく、強靭なアンサンブルと正確な技術に支えられた厳しい造型の音楽をつくる。
 「作品131」など、とかくナマの演奏会では所々いい加減な弾き方になる四重奏団が多いものだが、ロータス・クァルテットは、実に隙のない合奏で、このベートーヴェン晩年の難曲をがっちりと構築して行った。あまりに見事なほど強面の表情なので、その点に多少の疑問もないではないが━━しかし立派な演奏であることに変わりはない。

 一方「五重奏曲」は、大先生みずから参加しているとなれば、さらに引き締まらざるを得ないだろう。これも厳しく堅固に聳え立つ演奏で、驚異的な集中力に満ち、長さを全く感じさせぬ音楽となっている。
 全曲大詰の個所は、良い演奏で聴くと慄然とさせられるものがあり、死を間近にしたシューベルトの魔性的な感性を思わせるところなのだが、今日もそこまでの演奏があまりに集中力に富んでいたために、最後の破局的で不気味な、轟然と響く暗い和音には、まさにとどめを刺された思いになった。

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