2017-07

2016・3・9〈水〉新国立劇場 R・シュトラウス「サロメ」2日目

     新国立劇場オペラパレス  7時

 これは2000年にプレミエされたアウグスト・エファーディング演出のプロダクションで、新国立劇場の定番であり、これまで2002年、04年、08年、11年にも上演されている。
 今となっては穏健に感じられる舞台だが、イェルク・ツィンマーマンの美術・衣装ともども、写実的でまとまりのいいものであることは事実だろう。

 今回はカミッラ・ニールントが題名役を歌い演じ、クリスティアン・フランツがヘロデ王を、ハンナ・シュヴァルツが王妃ヘロディアスを、グリア・グリムズレイが預言者ヨハナーンを、望月哲也が隊長ナラボートを、加納悦子が小姓を受け持った。

 昨夜「ブリヤ家の女主人」を歌っていたハンナ・シュヴァルツが今日も登場して、ビンビン響く声でヘロディアスを歌っていたのは、その御年を考えれば偉とすべきだろうし、舞台での演技と存在感もさすがのものがあった。とりわけクリスティアン・フランツとの応酬の場面は素晴らしい。
 しかもこのフランツがまた当たり役だから、慌ただしく畳み込んで歌って行くその迫力が、隙間の全くない緊張感を音楽に与えていて、これが今夜の最高の聴きものであった。

 グリムズレイも、彼を聴くのは、私は3年前のびわ湖ホールでの「ヴァルキューレ」のヴォータン以来だが、声の馬力はたいしたものである。これらに対しニールントは、この演出におけるサロメ役にしては、ちょっと品が良すぎるのではないかという気もするけれども・・・・。
 なお「儀典長」なる黙役(王の意志を読みとって配下たちに指示を出す役)には、今回も原純が扮して実に芸の細かい演技をしていた。

 管弦楽は昨夜に続き東京交響楽団。メンバー表を見ると、コンサートマスターは、昨夜は水谷晃、今日はグレブ・ニキティンの由。この日はダン・エッティンガーの指揮で、昨夜同様、量感とダイナミズムに富んだ、なかなかいい演奏を聴かせていた。
 ただし(昨日もそうだったが)演奏に、もう少し柔らかい官能的な表情があればなおいいのだが━━。それでも、2夜続けて、ふだんのこのピットから聞こえるのとは違う、ある程度雄弁で、しかも引き締まった演奏が聴けたのは、善しとすべきだろう。

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