2017-08

2016・1・13(水)クリスティアン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

     サントリーホール  7時

 定例の集中的国内ツァー。11月19日の倉敷に始まり、1月18日の武蔵野まで計13公演。
 日本に住んでいる期間も長いらしいから、もっとしばしば演奏会をやってくれてもいいような気もするが、やはりそれでは「大ピアニストの来日公演」という有難味は出ないらしい。それに、こういう卓越無比な演奏を聴かせてくれるアーティストは、2年に1度くらいの割で現われてくれた方が、こちらも新鮮な気持で感動することができるかもしれない。

 で、今日は「シューベルト・プログラム」だった。「7つの軽快な変奏曲」に、ソナタの「第20番」と「第21番」。ただしアンコール曲はシマノフスキで、「前奏曲作品1の1」。

 独自の楽器を使用しての音色の美しさは改めて触れるまでもないが、今夜のこのホールでの演奏では、シューベルトの2つのソナタが、これまで聴いたことのないような見事な語り口で蘇っていたことに、言葉で表現できぬほどの感銘を受けた。
 主題が非常に素朴で率直な形で浮き彫りにされるのにも驚いたが、それと同時に、各主題やモティーフの間に挿入されるちょっとした経過句の一つ一つを、ツィメルマンが見事に有機的かつ雄弁に表現していることにも感嘆させられる。

 並みの演奏で聴くとつい長く感じられてしまう「第21番」でさえ、実はただの一つも無駄な音符のない曲であることが、彼の演奏では、はっきりと分かる。この2つのソナタで、これまで自分はいったい何を聴いていたのだろう、と思わせられるようなツィメルマンの凄さなのである。

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