2017-11

2015・12・8(火)浜松国際ピアノコンクール入賞者披露演奏会

      東京文化会館小ホール  7時

 昨日の浜松演奏会と同一の演奏者、同一のプログラムだが、異なるのは、多分会場との関係で、全員が同じカワイのピアノ(SHIGERU KAWAI)を弾いたこと。これがために、昨日とは演奏の印象がやや変わったソリストもいる。

 だがやはり最も大きな違いは、コンクールの重圧から解放されて2日目、気分的にも楽になったのだろうが、6人の演奏がみんな格段に瑞々しく伸びやかになっていたことだ。
 演奏に風格が増したソリストもいる。たとえば、ムーサとロパティンスキーがそれぞれ弾いたハイドンのソナタには、昨日のそれよりもずっと深みを増した。こういう演奏を聴くと、若くしてこれだけのハイドンが弾けるというのは、やはり立派なものと言わなければならない。

 そして、さらに演奏に豊かさが加わったのは、優勝者アレクサンデル・ガジェフである。
 昨日と同様にユニークなショパンの「葬送ソナタ」だが、テンポやデュナミークの設定などに細かい工夫を凝らした第1楽章などは、昨日よりもずっと自然な表情を感じさせるようになっていた。第3楽章の「葬送行進曲」の、特に弱音のイン・テンポで進められたマジョーレの部分も、今日は見違えるほど緊迫感のある、しかも心のこもった歌い方になっていたのである。これは、特筆すべきものだった。
 昨日感じた不満は、これで跡形もなく消し飛んでしまった、と申し上げたい。彼のショパンには、一種の形容しがたい、明るく優しい光のようなものが満ちているように感じられる。

 ガジェフの演奏が終ると、昨日と同じように、6人全員がステージに並んで手をつなぎ答礼し、拍手を浴びた。みんな若い。勢いよく巣立ってもらいたい。

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