2019-08

6・20(金)児玉宏指揮大阪シンフォニカー交響楽団

 ザ・シンフォニーホール

 ヴィーン・シンフォニカーなどの例にもあるように、「シンフォニカー」はそれ自体で「交響楽団」の意味を兼ねるものだが、「大阪シンフォニカー」(1980年結成)はわざわざそのあとに「交響楽団」を付ける。事務局の説明によると、こちらも最初は単に「大阪シンフォニカー」だったが、営業に行くとしばしば「クルマのメーカーと間違えられる」ので、仕方なく2001年から現在の名称としている由。

 その大阪シンフォニカー交響楽団に、このほど児玉宏が音楽監督・首席指揮者として着任した。その就任記念の定期演奏会がこれである。彼はドイツのウェストファーレン・フィルの音楽監督をつとめたこともあるが、バイエルン州のコールブルク歌劇場音楽総監督の経歴もあり、日本でも新国立劇場その他でたびたび指揮をしている人だ。やっぱりオペラの指揮者だな、と思わせる理由は、ステージに出て来ると必ず上階席だけ見回して答礼すること(1階にも客はいるのですぞ)。ピットから挨拶する癖がついているのじゃあないか?

 そんなことはともかく、ウォルトンの「戴冠式行進曲」が予想外に柔らかい響きで始まり、次のR・シュトラウスの「マクベス」(珍しい曲をやるものだ!)でも過度に騒がしい音にならず、しかも途中から弦の音色にしっとりとした味が加わってきたりと、指揮者とオーケストラとの間に良き共同作業が行われていることを示す演奏が聴かれた。
 
 後半に置かれたプロコフィエフの第7交響曲では指揮者が少々凝り過ぎたか、持って回った演奏の感があり、軽妙洒脱な味も、独特のプロコフィエフ節もほとんど発揮されぬままだったのは惜しい。しかし、大阪シンフォニカー響にとって、この指揮者との組み合わせは、今後良い結果を生むのではないかという気がする・・・・ただし、協演する機会を多く持てればの話だが。
 なおこの「7番」は、華やかなエンディングのない初稿版。プログラムには改定版の説明が載っていたので、お客さんは首をひねったのではないかと思う。

 2009~2010年定期演奏会のプログラムを見て、少々驚いた。詳細は省くが、東京のオーケストラでさえめったに手がけないようなレパートリーがずらりと並んでいる。大阪府からの援助金などに頼らない自主運営オーケストラの意地を見よ、といった感じだ。願わくばこのプログラムがお客さんの支持を得られるように。
  モーストリークラシック9月号(7月20日発売)「関西音楽情報」

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