2017-06

2015・11・20(金)オスモ・ヴァンスカ指揮読売日本交響楽団

    東京芸術劇場 コンサートホール  7時

 シベリウス・ツィクルスの1回目だが、「フィンランディア」と「交響曲第2番」の間に、なぜかラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」(ソリストはリーズ・ドゥ・ラ・サール)が入っているプログラム。
 シベリウスにはピアノ協奏曲が無いから仕方がないか、と思ったり、しかし今回のツィクルスには交響曲の第3番と第4番が抜けているのだから、せめてそのうちの「3番」だけでも入れてくれたらいいのに、と思ったり、・・・・でもまあ、リーズ・ドゥ・ラ・サールが弾いてくれるならいいか、とも思ったりしつつ、聴きに行く。

 彼女のピアノ、音色は明晰で清冽だが、強靭な打鍵で骨太なダイナミックスで全曲を貫いて行く。感傷的な思い入れなど一切ない豪壮さは、痛快なほどだ。馬力充分の読響がヴァンスカの手加減のない手綱のもとに弦16型の編成で豪快に鳴らしまくるのに対しても一歩も譲らず、華麗なピアニズムを披露した。
 アンコールは、ドビュッシーの「音と香りは夕べの大気の中に漂う」。テロ犠牲者を悼んで、と自らスピーチを付しての演奏。

 シベリウス2曲は、近年のヴァンスカの指揮の特徴たる、鋭角的でアクセントの強い、剛直な演奏スタイルで展開されて行った。かつてのラハティ響との演奏ではしっとりした味も未だたっぷりと聴かせていた彼だが、今は、ごつごつした攻撃的な姿勢を前面に押し出してシベリウスの音楽に迫っている。といっても、ミネソタ管との最近のCDで聴くそれらよりは、ナマで聴く読響(コンサートマスター・日下紗矢子)の厚みのある響きが、音楽を遥かに巨大に聳え立たせてくれる。
 これは、強靭な意志を持つシベリウス像といった感の演奏。曲の性格によっては素晴らしい効果を生み出す。
      別稿 音楽の友新年号 演奏会評

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