2017-06

2015・11・18(水)フランクフルト放送交響楽団

     サントリーホ―ル  7時

 ヘッセン放送(hr)所属のオケになったため、10年ほど前からの正式名称は「hr交響楽団」。
 だが日本では、これじゃ何だか判らんというわけで(せめて「ヘッセン放送交響楽団」ならともかく)、おなじみの旧称「フランクフルト放送交響楽団」がそのまま使われている。
 今回一緒に来日した指揮者は、コロンビア出身の若手アンドレス・オロスコ=エストラーダ。2014/15年のシーズンからの音楽監督だ(その前の5年ほどは、ウィーン・トーンキュンストラ―管の首席指揮者だった)。

 今日のプログラムは、グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」(ソロはアリス=紗良・オット)、ベルリオーズの「幻想交響曲」。
 アンコールは、アリス=紗良がシューマンの「詩人は語る」、オーケストラがブラームスの「ハンガリー舞曲第6番」。

 オロスコ=エストラーダという指揮者、元気のいい指揮で、明確に音楽を構築する人だ。オーケストラをバランスよく響かせ、生き生きとした表情を引き出している。構築にも起伏があり、クライマックスでは音楽をぐいと一押し盛り上げる術にも長けていて、劇的な演出感覚も充分なようである。
 ただ、━━ドラマティックな個所ではなかなか迫力も聞かせるのだが、ピアニッシモの個所や、テンポを遅くする個所に入ると、何か音楽の流れが滞るような、緊張力が突然薄まる傾向があるのがちょっと気になるところだ。とはいえ彼の場合、オケから引き出す音色は綺麗だし、良いカンタービレを利かせる美点もあるから、演奏に生気が失われるところまでは行かないのが幸いである。

 アリス=紗良・オットがチャイコフスキーの「1番」を弾いたのを、私は聴いたことがあったかどうか・・・・少し線が細いかなという感がないでもないが、清冽な音色と瑞々しい表情で、この猛烈な協奏曲を洗練された姿に変えて蘇らせるところ、聴いていても気持がいい。スピーディな演奏と、それに劣らずスピーディな身のこなし。ピアノと下手側袖との間を素早く行き来して拍手に応える時には、山台に軽々と飛び乗る爽やかさ(彼女、舞台では最近いつもハダシだから)。

コメント

改名したのなら、日本でも新しい名前でツアーすればよいと思います。ドイツ・ヘッセン放送響とかにして。オケと指揮者がよければそれで定着していくでしょう。hr響じゃわからない、チケットが売れないと最初から決めつけなくてもよいと思います。ルス・リュドよかったけれど、せっかくだから権代敦彦の作品(Falling Time to the End)を1回ぐらい入れてもよかったのでは。Arte Live Web では、権代の初演がアップされています。オロスコは魅力的でこれからが楽しみな指揮者と思いました。オットさんは若いテクニシャンだから、今のところ派手な曲の依頼が多いのでしょうが、年とともに自分の感性に合う方へ変わっていくのではないか、と思います。

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