2017-08

2015・11・14(土)ピエタリ・インキネン指揮日本フィル

      神奈川県民ホール  6時

 いつもはみなとみらいホールで行われている日本フィルハーモニー交響楽団の横浜定期、今月だけはホールの都合とかで神奈川県民ホールで開催。

 次期首席指揮者インキネンが指揮しての今日は、シベリウスの「歴史的情景」第2番、バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」、チャイコフスキーの「交響曲第5番」。アンコールにシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。

 このうちバッハの協奏曲は、コンサートマスターの扇谷泰朋とともに、インキネン自らヴァイオリンを弾いての演奏だ。インキネンは、透明清澄な音色で、優雅だが芯の強いソロを聴かせてくれる。普通のオーケストラの定期でこの種の曲が取り上げられるのは意外に稀だろう。一陣の清風、颯々と吹き抜ける、という雰囲気。

 シベリウスは、これはもう2曲とも非の打ちどころない演奏━━シベリウス・マニアの私としては、とにかく至福の瞬間である。ステージの奥から木魂して来るホルン、いつ果てるともなく刻まれる弦のリズム、すべてに陶酔してしまうのだから仕方がない。
 「アンダンテ・フェスティーヴォ」は速めのテンポで━━しかし最近ではこれが普通のようだ━━終結もあっさりした仕上がりだったものの、日本フィルの引き締まった弦の音色が爽やかに拡がり、美しい演奏になっていた。

 予想外だったのは、チャイコフスキーの「5番」の演奏である。冒頭の序奏は、重々しいけれどもすっきりした叙情性にあふれ、かつて見た物憂げな白夜の朝の光景を連想してしまうほどで、なるほどやはりインキネンのチャイコフスキーはこう来るのか━━と一瞬は思ったのだが、いざ主部に入ってみると、驚くほど激しく荒々しく、攻撃的な鋭さを備えた音楽が出現した。端整清澄なチャイコフスキーを予想したのは、こちらの飛んだ認識不足であった。

 第4楽章の第1主題や、第120小節前後の経過句、展開部などでは、ティンパニ(エリック・パケラ)がペーター・ザードロばりのダイナミックな身振りで叩きまくって演奏を盛り上げ(見ていると楽しい)、インキネンの激烈なエネルギーに応える。
 クラリネットの1番(芳賀史徳)も、第1楽章序奏をはじめ、随所で好演してくれた。ホルンの1番は客演だったそうだが、第2楽章の有名なソロなど、正確で上手かったけれどもやや素っ気ない演奏だったのは、インキネンの注文だったのか? 
 その他各ソリもいい演奏を聴かせてくれたが、オーボエは少し粗い。だがインキネンの音楽構築は非常に緻密であり、これに応えた日本フィルも見事だった。
 このコンビはいよいよ快調で、将来に期待をもたせてくれる。

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