2017-06

2015・11・2(月)METライブビューイング「イル・トロヴァトーレ」

     東劇  午前11時

 新シーズン第1弾、ヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」は、10月3日MET上演のライヴ映像。
 アンナ・ネトレプコ(レオノーラ)、ディミトリ・ホヴォロストフスキー(ルーナ伯爵)、ヨンフン・リー(マンリーコ)、ドローラ・ザジック(アズチェーナ)、ステファン・コツァン(フェルランド)他、という配役に、デイヴィッド・マクヴィカー演出、マルコ・アルミリアート指揮。

 これは、新演出ではなく、2010~11年シーズンにも上演されていたものだ(11年6月3日に東劇で観た)。回り舞台を使った見栄えのいいプロダクションである。

 今回はやはりアンナ・ネトレプコが大変な人気だ。夏のザルツブルク音楽祭でのプロダクション(アルヴィス・ヘルマニス演出)のように絵画美術館のスタッフとして眼鏡をかけて出て来るようなものとは違い、あくまでセミ・トラディショナルなスタイルのヒロインである。
 あの時にも感じたことでもあるが、彼女は本当に歌唱が巧くなった。一頃は、「オペラ女優」と言われるほど演技力はずば抜けているものの、歌唱表現が今一つ単調で・・・・という人だったが、今は全然違う。文字通りの大ソプラノである。

 ヨンフン・リー(韓国出身)は、私が前回観たのは、2011年のMET来日公演での「ドン・カルロ」の題名役だった。あの時は、大震災と原発事故の風評でカウフマンが来られなくなった時の代役として来日したためもあり、われわれのイメージも今一つだったけれども、今や歌も演技も、飛躍的に素晴らしくなっている。
 ドローラ・ザジックはもう定評がある。ちょっと怪奇なメークで凄味を出す。

 ホヴォロストフスキー(ライブビューイングでの松竹の表記はこうなった)が夏に脳腫瘍を公表したというのは、私は迂闊にして知らなかったが、これは本当に心配だ。詳細は不明ながら、もう良くなったと本人がインタヴューで語っていたから・・・・。とにかく、大事ないことを祈る。この日の上演でも、彼が最初に登場した瞬間に割れんばかりの拍手が巻き起こり、演奏もストップしてしまったほどだったのは、観客も彼の病のことを知っていたからだろう。
 演技はいつものように風格充分、威風辺りを払うものだったが、声の方はしかし、全盛期の彼のそれとは、気のせいか、やはり少し違う。心配になる。第4幕でのネトレプコとの二重唱の時に彼の声が一部マイクを通したようなこもった音色になってしまったのは、何かあったのか?

コメント

私は、カーテンコールの終り近く、Armiliato に前面に押し出された Hvorostovsky に向かって、ピットの楽団員から一斉に白い薔薇が投げ込まれるところで、ちょっと差し含んでしまいました。甘いでしょうか?

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