2017-11

2015・10・29(木)ピリスの「パルティトゥーラ・プロジェクト」

     すみだトリフォニーホール  7時

 名ピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスが主宰する、若い世代の演奏家とのコラボレーション。
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲を核とした2回シリーズで開催され、今日はその2日目だった。協演はオーギュスタン・デュメイが指揮する新日本フィル。
 なお初日は27日に、ジュリアン・リベールが弾く「第1番」、ナタナエル・グーアンが弾く「第2番」、ピリスが弾く「第3番」━━というプログラムで行なわれている。

 今日は、ピリスが弾く「第4番」、小林海都(かいと)が弾く「第5番《皇帝》」がメインだったが、それに先立ち、デュメイ自身が弾き振りするベートーヴェンの「ロマンス」2曲が演奏された。デュメイが「第1番ト長調」を磊落に、「第2番ヘ長調」をしっとりと弾いたのは、たまたまそうなったのか、それとも2曲を対照的に設計しようという意図だったか。西江辰郎をコンサートマスターとする新日本フィルが、両曲でそのデュメイの音色にそれぞれぴったり合わせた響きを出してみせるのには感心した。

 ピリスの演奏は、相変わらず心に迫る。ベートーヴェンを弾く時には、陰翳の濃い音色と骨太で強靭なデュナミークを利かせるのが印象的である。「4番」だけでなく、ソロも聴きたくなるような気分だったが、━━7日にはメネセスとのデュオ・リサイタルがあり、そこではベートーヴェンの第32番のソナタを弾いてくれるはずだから、期待しよう。

 「皇帝」を弾いた小林海都という、今年20歳になる若手は初めて聴いたが、エスプレッシオーネもアゴーギグもなく、ただイン・テンポで音符をなぞるだけの無表情な、機械的な演奏だったのには落胆した。ヤマハ・マスタークラスに在籍したというが、誰がこんな教え方をしたのか? 2年前の東京音楽コンクールで2位になったとは信じられぬ。音楽への取り組み方を、もっと根本的に考えた方がいい。第3楽章では、僅かながらしなやかさと表情が演奏に甦って来てはいたが。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2286-f616c60e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」