2017-10

2015・10・22(木)野田秀樹演出「フィガロの結婚」~庭師は見た!~

     東京芸術劇場  6時30分

 野田秀樹が演出、井上道義が指揮するプロダクション。6月17日にミューザ川崎シンフォニーホールで観たのと同一のものである。

 全国10都市で計14公演を行なうという大企画で、今日から「秋の陣」に入る。東京芸術劇場での公演は3回、今日の「追加公演」が「初日」となった。東京のあとは山形、名取、宮崎、熊本と続くことになっている。

 内容は、ラストシーンなど細かいところがいくつか手直しされたようにも思えるが、基本的には変わっていない。「庭師は見た!」という物々しいサブ・タイトルの意味がどれだけ実際に生かされていたのか━━という問題は前回にあれこれ書いたし、今回も印象は全く同じだから、繰り返すのはやめる。

 ただし今回は演奏者の一部が替わり、バルト郎(バルトロ)を妻屋秀和が歌った。また、井上道義が指揮するオーケストラも、今回は読売日本交響楽団(コンサートマスターは日下紗矢子)になった。
 舞台最前面、前方客席をつぶして配置されたこの読響、さすがに馬力充分で、鳴ること、鳴ること。井上道義も、特にクライマックスの個所では、ここを先途とオーケストラを煽る。おかげで、モーツァルトの多彩な管弦楽法が満喫できたことはたしかだが━━その代り、1階席ではどうか知らないが、2階席正面で聴いた範囲でいえば、そのオーケストラに舞台上の歌手たちの声がマスクされ、ほとんど明確には聞こえなかった。

 これは、このホールの、よく響く音響特性によるところも大きいだろう(ミューザ川崎シンフォニーホールでは、声楽パートはもっとはっきりと聞こえていたのだ)。
 だが、このホールでオペラをやればこういう音になることは、これまでのさまざまな上演例で、だれもが予想できたはず。にもかかわらず、その対策が充分に講じられていなかったというのは、甚だ面妖なことである。
 したがって、今日の「好評による追加公演」は、結果的には、いわば公開ゲネプロのような出来だったというべきか。歌手たちのアンサンブルについても、同様のことが言えよう。残る2回の公演(24日、25日)で、どういう方法が講じられるか、といったところだ。

 9時55分終演。

コメント

フィガロの結婚

25日に見ました。
伯爵夫妻とお小姓のケルビーノが西洋人、召使全員が日本人、という日本ならではの設定なのだからもっとスパイスを利かせたらどうか?と思う。エア三味線したり、文楽を模した動きをさせたり、細部はやや凝っていたけれどその辺が物足りなかった。特に前半は声にオケがかぶって聞き取れない点ももどかしかった。しかし伯爵夫人のアリアはとても気を使って指揮していたようで、歌ははっきり聞こえたが、テンポのメリハリがあまりなくて平板な感じで残念。普段のオペラの客層とはちがって若い人が多く、観客層を広げた点はとても評価できるのではないでしょうか。

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