2017-08

2015・10・17(土)クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団

      サントリーホール  6時

 首席客演指揮者ウルバンスキと東京響の演奏はこれまでいくつも聴いたが、そのたびに私は新鮮な面白さを味わって来た。

 1曲目のブラームスの「悲劇的序曲」は猛烈に遅いテンポで進められた。いつだったかブラームスの「第2交響曲」第1楽章でも、このような超遅テンポに驚かされたことがある。
 だがそれは、決して重苦しいものではない。それどころか、その遅いテンポの中に、驚くほど精妙精密な音が繰り広げられる。音楽全体がゆったりと息づくように絶えず揺れ動き続けるのだが、重心が厳然と定まっているために、少しも不安定な印象は受けない。明晰でありながら濃い翳りに満ちた音色は素晴らしく、これはガリガリとした弾き方を排した弦の音色のせいか。
 実にユニークなブラームスであった。

 2曲目は、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第5番」。ボストン生れのステファン・ジャッキーヴ(30歳)の、細身の張りつめた、しかも瑞々しい音色の美しさは、これまた驚くべきものだ。しかもこれに合わせるウルバンスキと東響(コンサートマスターはグレブ・ニキティン)の呼吸の、何と絶妙なこと! 

 最後がストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1945年版)だったが、ウルバンスキの鋭角的で個性的な音響構築のために、この版がいっそうシャープに響く。1番オーボエの骨太な音色がひときわ映えた。

 ウルバンスキは、今回も非常に主張の強い指揮で端倪すべからざる個性を示した。何とも面白い指揮者である。東響は、彼を断じて手離すべきではない。
 桂冠指揮者スダーン、音楽監督ノット、首席客演指揮者ウルバンスキ━━東響が擁するこの3人の外国人指揮者は、ある意味で共通する個性を備えているが、もし今後もこういった指揮者たちのもとで演奏を続けるなら、東響は凄いオーケストラになるだろう。

コメント

オーボエトップの荒木さん、まだ芸大生ですが定期デビューのベートーヴェンから毎度物凄い演奏ですね。
軽井沢国際オーボエコンクールでアジア人初の一位、こらからも大いに楽しみです。

一方のウルバンスキは来季も一度客演はしますがポストはなくなるようです。欧米で引張りだこで忙しいのでしょうか。東響で、日本で、あまり聴けなくなるのかもしれませんね。

ウルバンスキ凄い!“本格派”“超大者”ですよ、この人。ブラームスには仰天しました、だってフランス近代音楽みたいに聞こえるんですもの。こんなの今迄聴いたことない!合わせもののうまさはこの前のドヴォ・コンでも痛感させられた。ストラヴィンスキーでもフワリとした絹糸のような音色が随所から聴かれた(女性奏者が多いせいもある?他の日本のオケには無い質感ですよ)。突き刺さるようなフォルテッシモも!ポスト離れるんですか?ザンネン!今年からNDRの首席客演ですしね。次は新潟まで足を運ぶか。音楽監督を務めるインディアナポリス響との来日が叶えばシメたものです。

ジャッキーヴさん。2011年アジアユースオーケストラとのシベリウスも好印象でした。音色もスタイルも変わってなくて安心しました。また来てほしいです。

ウルバンスキさん。どんな曲でも彼が振ると、東響がうっとりと魅入られたようになる時間帯があって。その音を聴くのが大好きでした。もう少し長くもう少し多くと思ってきたけれど、NDRが相手では歩が悪いかな(主として地理的な意味で)。でも、ベートーヴェン(11日)、ブラームス、モーツァルトでこの調子なら、マーラーやシューベルトは一体どうなってしまうんだろうとすごく気になっています。ポストがなくても、頻度が落ちても、たまには顔を見せに来てくれると嬉しい。

申し訳ないですが、僕にはとても薄っぺらくて、まだ何かの亜流にしか聴こえませんでした。
オケのドライヴは良かったとは思いますが。

悲劇的!?

私 (たち) は、このタイトルに騙されていたのかもしれませんね。当夜の “白眉” でした。

ボクが驚いたのは、何と言ってもモーツァルトのコンチェルト。ジャッキーヴの美音はさることながら、オケの音に包まれたときの音色は別物でした。
残念ながら、会場の空席を見ると、現段階でのウルバンスキの賞味期限は切れたのでは(変な意味ではありません)。欧米で揉まれて、また別の形で日本のオケと共演する機会が増えればと思います。きっと違った感動を与えてくれるでしょう。もちろん、その時が東響とは限りませんが。

「火の鳥」はオーケストラにとって腕の見せ所の曲なのに、
管のソロにあれほど凡ミスが多くては褒められないのでは?

今と昔

 悪い演奏とは思わなかったけど、「目を閉じて冷静に聴けば」、そんな驚くようなモノではなかったと思います。
 あれこれ考えた跡は窺えましたが、何と言うか、それに共感を覚える程の説得力には大分欠けていたように私には感じられました。
 今後期待される指揮者の一人である事は否定しません。
 有望な若い指揮者は沢山いますが、大指揮者とされる巨匠達の若かった頃に比べると、「根の張り」がどの人も脆弱に思われてなりません。

また、お邪魔します。良くも悪くも凄い反響ですね。たしかに目立つミスが幾つも散見されましたが指揮者の作りたい音は明確に表現されていたと思うのでミスは許す気になりました。盛大なブラボーもほとんどは指揮者に対するものだったと思うので。ほんとにウルバンスキ/東響のコンサートはいつも最初から最後まで内容が濃くてどの曲がメインかわからないくらい!未熟な部分はあるかもしれませんがまだ30代、これからですよ。NDRに行けば近いうちに必ずもう一皮剥ける。私はウルバンスキは“オオモノ”になって帰って来ると確信しています!

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