2017-10

2015・10・8(木)紀尾井ホール ペルゴレージ:「オリンピーアデ」

     紀尾井ホール  6時30分

 5日にGPを観た「紀尾井ホール開館20周年記念」のオペラ「オリンピーアデ」の、本番2日目。

 河原忠之指揮の特別編成による紀尾井オペラ・アンサンブルが、活気にあふれた見事な演奏。技術的にも完璧なほどに整っているので、ペルゴレージの闊達な美しい音楽がたっぷりと楽しめる。
 粟国淳の巧みな演出も、ややこしい人物構図をきわめて解り易いものにしてくれた。舞台(横田あつみ)はシンプルながら、このホールの構造から言えばこれで充分である。

 特に、7人の歌手陣がみんな競うようにいい歌唱を聴かせてくれていたことは、音楽的にも胸のすくような快感が味わえた大きな要因である。
 ズボン役(女声歌手が演じる男性役)を、今回は澤畑恵美(王子リーチダ)と向野由美子(親友メガークレ)が受け持ち、実に見事に格好良く颯爽たる演技を繰り広げ、この舞台を成功に導いていた。

 いつもはズボン役をやることの多い林美智子は、今日は女性(アルジェーネ)役を演じ、もう1人のお嬢様的な役柄の女性(アリステーア)の幸田浩子と対照的な、毅然とした女性を表現した。ただどうも、今回の演出では、このアルジェーネという女性の存在が今一つ明確に描かれなかったうらみもあるだろう。

 この女声2人ずつの衣装の色を、各々対比させたこと━━リーチダが紺色系の服装、メガークレが赤色系のガウンのようなもの、そしてアルジェーネが濃紺の服、アリステーアが濃赤の服━━は、観客にも解り易く、極めて良いアイディアだったと思う(衣装は増田恵美)。
 男声歌手の吉田浩之、望月哲也、弥勒忠史ももちろん好演、特に弥勒は第3幕のアリアで絶賛さるべき快唱を披露した。

 今回の上演ではカット部分も多かったが、それはそれで一つの考え方だろう。
 ただ、━━物語と人物相関は話が混み入るから省くが━━リーチダがなぜ親友のメガークレに、わざわざ自分の身代わりにオリンピアヘの競技出場を頼むのかがさっぱりわからない、という声も耳にした。
 たしかにこれは、第1幕第1場で、後見役アミンタがリーチダに「王子の剣の使い方は、この地の対戦相手には役に立たない。武器も違えば訓練も違う。若気の至りを後悔することになるであろう」と忠告し、試合出場を思いとどまらせるくだりの歌詞がカットされていたためである。「身代わり」はこのドラマの重要なポイントだから、この部分は伏線として生かしておいた方がいいのではなかろうか。
 同じくカットされていた、メガークレがこの地の競技にかつて優勝した実績があるという話(第1幕第3場)も、リーチダが彼を恃みとした裏付けとして必要だろうと思う。
 それと、解説書には「あらすじ」を掲載しておいてもらいたい、という声も聞いた。

 20分の休憩を含み、演奏は9時半に終った。いい上演であった。再演に値するプロダクションだと思われる。

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