2017-10

2015・10・7(水)児玉宏指揮大阪交響楽団 東京公演

    東京オペラシティ コンサートホール  7時

 文化庁芸術祭執行委員会の主催による「アジア・オーケストラ・ウィーク」の第3日。今年は他に、中国国家交響楽団と、デジョン・フィルハーモニック管弦楽団とが参加している。

 児玉宏は、大阪響の音楽監督・首席指揮者のポストを今シーズンで退任する。斬新かつ大胆なプログラミングでオーケストラ界に新風を吹き込んだ彼の功績は、極めて大きいと言えよう。
 今回のプログラムも、後半にブルックナーの「第9交響曲」を置き、前半にはリストの交響詩「オルフェウス」と、ワーグナーの「ファウスト」序曲を配すという、ユニークなものだ。特に「ファウスト」には、ブルックナーの「9番」の第3楽章冒頭主題の先取りが現われるという点でも、組み合わせの意味があるというものだろう。

 叙情的な「オルフェウス」は別として、そのワーグナーとブルックナーでは、児玉はかなり激烈な音楽づくりを採った。
 「9番」第2楽章などはワイルドと言ってもいいような演奏で、ブルックナーの音楽が持つデモーニッシュな側面を浮き彫りにしていた。金管群のパワーを全開させ、弦楽器群のトレモロを強く響かせ、全体に最弱音を底上げして明確に鳴らす、といった手法は、やはり長年ドイツで指揮していた人だなという印象を与える。

 もっとも、その指揮にオーケストラが完璧に応え得ていたとは、残念ながら言い難い。
 正規楽員数43名の楽団(今年1月1日時点、「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑2014」による)ゆえ、ブルックナーの場合にはどこまでが楽員で、どこからがトラなのかは判らないけれども、アンサンブルの密度をはじめ、個々の技量についても、もう少し頑張っていただかなければなるまい。

 とにかく、全体に、非常に音が粗いのである。ほんの一例だが、全曲最後のホルン、ワーグナー・テューバ、トロンボーンなどによる浄化された和音の個所で、一部の金管がその神秘的な響きを完全に濁らせてしまったことなど、かえすがえすも残念であった。
 過日の「大阪4大オーケストラ競演」のステージでは、あれほど引き締まった演奏を聴かせたオケなのに・・・・。

 なお児玉宏と大阪響は、来年2月24日の定期で、児玉自身が編曲した「ニーベルングの指環」の接続曲━━デ・フリーハーやマゼールが編んだものとは全く異なる、独特の巧みな繋ぎ方をしている━━と、大ワーグナーの子ジークフリート・ワーグナーの交響詩「憧れ」を演奏する。ワグネリアンにはこたえられないプロだろう。

コメント

9/28日同一プログラムをシンフォニーホールの定期でききました。
5,8、9番と聞いてきてやはり弦12型ではバスが弱く。ゆえに金管がうるさく聞えてやすらぎの感じられないものとなった、
児玉さんの指揮ぶりは無駄が無いちょっと体育会系ブルックナーのようでもある、生の弦の音は若々しく透明感がありちょっと珍しい個性のオケと思っています。ワグナーがどうなるか楽しみだ。もう少し弦を増やしてほしいが、

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2270-27e29a28
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」