2017-06

2015・10・5(月)ベルナルド・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団

     東京文化会館大ホール  7時

 このコンビの演奏を、今回は結局3公演聴いたことになる。だがどれも、聴いて良かったと思える素晴らしい演奏ばかりだった。
 今日は都民劇場音楽サークルのコンサートで、プログラムはパーセル~スタッキー編の「メアリー女王のための葬送音楽」、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」(ソロはマレイ・ペライア)、ブラームスの「交響曲第1番」。

 特に第2部、ブラームスのあの堂々たる第1楽章序奏が開始された瞬間の、東京文化会館大ホールを揺るがさんばかりのたっぷりとした重厚壮大で濃密な演奏には、驚嘆させられた。とかく満席になるとドライな音響になり、オーケストラを乾いた音にしてしまうこのホールも、ひとたび立派な指揮者とオーケストラの手にかかれば、かくも宏壮な響きで満たされるのだということ━━久しぶりの体験である。

 演奏の瑞々しさにも、充分なものがあった。ただ、第4楽章後半から最後の頂点にいたる音楽の密度はやや薄らいだように感じられたけれども━━しかしやはり、心に染み入って来る音楽だった。
 高齢にして円熟したハイティンクは、決して肩を怒らせて何かを主張するといった指揮でなく、全く誇張のない、真摯な指揮を続けているだけに見えるのだが、それでも第4楽章でのあの有名な主題が、かすかな漸強と漸弱を繰り返しつつ揺れるように流れて行くあたりの絶妙な呼吸には、この指揮者の巧まざるカリスマ性のようなものが強く感じられて来る。

 コンチェルトは、今日はベートーヴェンの「4番」。モーツァルトの演奏の時には見え隠れしていたハイティンクとペライアの「厳しさ」といったものが、この曲の演奏では、前面に姿を現す。
 そしてパーセルの作品は、弦なし、管楽器・打楽器・ピアノ・ハープによる編成の編曲での演奏。悲壮雄大な美しい音楽ではあるが、ティンパニと大太鼓が間をおいて打ち鳴らす轟音は、一種異様な恐怖感を呼び起こす。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2269-c16e872a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」