2017-06

2015・9・12(土)尾高忠明指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

     東京オペラシティ コンサートホール  2時

 尾高忠明の客演指揮で、彼の十八番たるシベリウス・プロ。組曲「恋人たち」、「ヴァイオリン協奏曲」(ソロはドン=スク・カン)、「4つの伝説曲(レンミンカイネン組曲」)。コンサートマスターは松野弘明。

 良い企画だし、シベリウス・マニアには魅力的なプログラムのはずなのに、客の入りが寂しかったのは残念。だが第2部での「レンミンカイネン組曲」は、さすが尾高、素晴らしい盛り上がりを聴かせてくれた。彼のシベリウスは、極めて陰翳に富んだスタイルのもので、これがまた一つの魅力だろう。

 尾高の指揮するこの「レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)」を聴いたのは、近年ではこれが3回目だ。札響(2010年11月13日)、N響(2014年2月9日、戦後3番目という大雪の日)、そして今日━━というわけだが、演奏は順を追って充実して来たように思う。
 N響とシティ・フィルとを比較すれば、オケの腕前に些か差があるのは仕方がないけれども、今日の「レンミンカイネン組曲」での演奏にこめられた気魄と推進力、昂揚感などに関して言えば、こちらシティ・フィルの方に軍配が上がったのではないか。

 「レンミンカイネンとサーリの乙女たち」での巨浪のごとき起伏と押しの強さ、「トゥオネラの白鳥」および「トゥオネラのレンミンカイネン」での暗い蠢動、「レンミンカイネンの帰郷」での最後の頂点での鮮やかな転調と熱狂。━━とりわけこの最後のものは、私がこれまでナマで聴いた演奏のうちの最高ランクに属するものだったといっても、過言ではないように思う。

 シティ・フィルも、ソロの一部には不満もあったが、とにかく総力をあげた演奏には違いなく、その燃焼度は聴き応え充分のものがあった。これで、打楽器セクションがもう少し綺麗な音色であればよかったのだが・・・・。
     別稿 音楽の友11月号 演奏会評

コメント

巨匠的な指揮

民音コンクールの時から知っているし、東フィル会員でもあったので、指揮ぶりには馴染んでいるが、一部の曲に名演があっても、やや微温的な音楽作りが気になっていた。しかし随分貫禄がついたものだ。自然から生まれ、自然へと朽ちて行くあらゆる生命の痛切さ。シベリウス音楽の本質を捉えた巨匠的な指揮であった。

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