2017-10

2015・9・11(金)アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 ヴェルディの「運命の力」序曲、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」(ソロは反田恭平)、ムソルグスキー~ラヴェルの「展覧会の絵」というプログラム。
 昨日のサントリーホールでの定期とは、真ん中の1曲だけが異なる。コンサートマスターは三浦章宏。

 首席客演指揮者バッティストーニ、今日も相変わらず元気のいい指揮をする。
 「運命の力」では冒頭の金管のモティーフをホールも吹き飛ぶような勢いで開始させ、「展覧会の絵」でも、縦横無尽に切りまくり、当るを幸いなぎ倒す・・・・といった小気味のいい指揮ぶりで音楽を突進させる。

 でありながらも、それらが決して粗雑にならず、デュナミークの起伏もきちんとつくられているところがいい。東京フィルも、今やこの指揮者とぴったり呼吸が合って来ているようだ。
 もっとも、いくら気鋭の若手指揮者と雖も、元気一本で押しまくればいいというものではない。「展覧会の絵」の大詰の打楽器群など、もう少し節度を弁えたバランスが欲しいものである。

 反田恭平は、先日の東京文化会館小ホールでの演奏がちょっと日本人離れした個性で面白かったので、コンチェルトは如何に、と関心を持っていた。
 実際に聴いてみると、誰かも言っていたように、オケとの合わせの呼吸を会得するのは、まだこれからのようだ。独りでどんどん弾いて行くといった感がある。まずこれも、21歳の若者としては仕方のないところだろう。

 彼が今日使用したピアノは、ホロヴィッツが愛用したヴィンテージ・ニューヨーク・スタインウェイの由。これは実に透明清澄な美しい音色のピアノではあるものの、バッティストーニと東京フィルが繰り出す大音響と応酬するのは少し無理な楽器のようである。
 ソロ・アンコールで彼が弾いたのは、ホロヴィッツ編曲「《カルメン》の主題による変奏曲」だったが、猛然たるテンポで叩きまくり、名人芸を誇示するという気負いにあふれた演奏でありながらも、清澄な音色を失わないところが見事だ。だがやはりこのピアノは、こういう弾き方にふさわしい楽器とは思えない。

 とにかく、破天荒な個性を持った日本人ピアニストが出て来たものだ。これから大いに注目されるだろう。だが、くれぐれも、周囲の浮かれた取巻き連から担ぎ上げられて変な方向に行くことのないよう、正道をまっすぐ進んでくれるよう、祈りたい。

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