2017-10

2015・9・6(日)首都オペラ プッチーニ:「トゥーランドット」

    神奈川県民ホール  2時

 佐藤美晴の演出、岩村力指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団と首都オペラ合唱団。福田祥子(トゥーランドット)、内山信吾(カラフ)、陰山雅代(リュウ)、佐藤泰弘(ティムール)他の出演。

 トゥーランドットが愛に目覚めるとともに民衆は支配者による束縛から解放され、明るい自由と和解の歓びに浸り、皇妃の衣装を脱ぎ捨てた彼女もカラフとともに民衆の中に入って行く。そこでは、老皇帝ももはや登場せず、「宮殿」(もともとシンプルで象徴的な装置だったが)も姿を消している。
 ━━今回のこの幕切れの演出は、特に今日、すこぶる意味深いものがあるだろう。そして、それまでの「夜」のような暗い舞台や、民衆の硬直した動作などの理由も、ここで理解されるはず。とはいえ、そこにいたるまでの「圧政下の」群衆の演技に、もう少し明確で解りやすい動きが付与されていれば、この対照はもっと際立っただろうと思う。

 歌手陣では内山、陰山、佐藤が声も安定して好演していた。岩村は神奈川フィルをいっぱいに鳴らし、グランドオペラとしての音楽の豪壮さを強調していたが、欧州の歌劇場ではこのくらいオーケストラを轟々と鳴らすことが多いのだから、むしろ好ましい姿勢と言えるだろう。

 なお首都オペラの公演は、これが第24回にあたっていた。1989年に「オテロ」で旗揚げして以来、ほとんど新演出のみで通して来たその意欲は、限りない称賛に値する。

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