2017-09

2015・9・4(金)デリック・イノウエ指揮新日本フィル

       すみだトリフォニーホール  7時15分

 新シーズンの定期はバルトーク特集で始められ、指揮には客演のデリック・イノウエが迎えられていた。

 第1部の「ピアノ協奏曲第3番」では、小菅優のソロが冒頭から拡がりをもって響きはじめ、バルトークのコンチェルトを弾くのはこれが初めてとはとても思えないほどの爽やかな演奏を聴かせたが、D・イノウエの指揮が何とも平板に過ぎる。
 この調子では第2部の「青ひげ公の城」はどうなることか、と思わないでもなかったが、━━幸いにもオペラの方では新日本フィル(コンサートマスターは崔文洙)が頑張り、大きな起伏を持ったシンフォニックな演奏になった。もっともそれも、開幕後しばらくしてから調子に乗ったかという感であり、また全曲を通じて心理的なニュアンスの表出には不足気味の演奏ではあったのだが・・・・。

 ともあれ、音楽自体に強烈な力があるので、演奏会形式で聴くと、オーケストラが持つ多彩な色合いがストレートに伝わって来るという良さはある。
 声楽ソリストはアルフレッド・ウォーカー(青ひげ公)とミカエラ・マーテンス(ユディット)。特に前者は、剛毅さと脆さとを二つながら併せ持った青ひげ公という性格を打ち出した見事な歌唱を聴かせてくれた。

 なお今回は演奏会形式と銘打たれてはいたが、事実上セミ・ステージ形式に近いスタイルの上演である。歌手はオーケストラ後方の舞台上で簡単な演技を行なう。
 しかしその舞台に、イスとテーブルを置き、その白いテーブルクロスの上に明るい花を飾るというのは、このオペラのイメージからはあまりにかけ離れていないか? 
 「血」のモティーフが響くたびにオルガンに赤色の光を投映するというのも、他に照明演出らしきものがないので、少々唐突な感を与える。

 また第5の扉の場面でバンダを1階客席後方に配置するのはともかく、客席の明かりまで上げる必要は無かろう。何となく白けてしまうし、演奏への集中度を失わせる。最終場面で舞台の照明を落し「闇」とするのはいいけれども、客席が半明りのままでは、何にもならない。思いつきで中途半端に演出するくらい雰囲気を壊すものはない。
 また字幕は、以前井上道義指揮の上演の時にも使われたのと多分同じもので、本来の意味とはちょっと違うところが多々ある。英訳の対訳からでも訳したのだろうか?

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