2017-10

2015・7・8(水)レオシュ・スワロフスキー指揮スロヴァキア・フィル

      サントリーホール  7時

 ヴァーツラフ・ターリヒにより1949年に創立されたオーケストラ。70年代後半にコシュラーの指揮で録音したドヴォルジャークの交響曲全集(オーパス)を、私も愛聴したものである。

 現在の首席指揮者は、スロヴァキアの民族色とは全く毛色の違う傾向のエマニュエル・ヴィヨームだが、今回はチェコの指揮者レオシュ・スワロフスキーの客演による来日となった。
 今夜はチャイコフスキー・プロで、「エフゲニー・オネーギン」からの「ポロネーズ」、「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第5番」。

 技術的にはあまり上手いオーケストラではなく、ホルンは1番も3番も頼りないところ(「5番」第2楽章)があり、しかも金管と弦とがずれることも2、3回あったけれども、しかし、不思議な郷愁を感じさせる音、渋い音色のしっとりした味などは、やはり「旧チェコスロヴァキア」のオケならではの良さがある。

 スワロフスキーの指揮は、身振りは大きいものの、オケから引き出される音楽は、比較的抑制されたものだ。「ポロネーズ」冒頭など、一般の演奏とは違い、トランペットなどの金管をぐっと抑え気味にした渋い雰囲気で開始され、中間部のテンポも音量も抑えられていた。つまり、大夜会の舞踏の幕開きとはとても思えぬほどの落ち着いた音楽になっていたのである。
 「第5交響曲」も、過度の思い入れを排した率直な音楽づくりだったが、こちらはそれでも第2楽章後半など、テンポを急激に速めて感情を高めて行くあたり、心を揺り動かされるところもあった。

 アンコールは、これだけ何故かブラームスだったが、「ハンガリー舞曲第5番」が変幻自在、鮮やかな演奏で聴衆を沸かせていた。
 実直な指揮と、民族的な味で聴かせるオーケストラ━━こういうローカル色は、今の時代、貴重である。

 「ヴァイオリン協奏曲」を弾いたのは、Y・Mという日本人女性奏者で、私は初めて聴いたのだが、何とも粗雑で、デリカシーに欠けた、単調な演奏をするのには驚いた。フォルテとピアノとに差がほとんどないのも不思議だが、特に第2楽章など、オーケストラの弱音の歌に溶け込もうという気など全く無いかのように、大きな音で勝手にバリバリ弾いて行くのには、呆気にとられてしまう。もう一度謙虚にスコアと向かい合った方がいいのではないか。

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