2017-10

2015・7・7(火)ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団

     文京シビックホール  7時

 プレトニョフとロシア・ナショナル管の演奏を、3年ぶりに聴く。
 結成されてからもう25年も経つのかと、うたた感ありだ。ペレストロイカ後の「ニュー・ロシア」を象徴するオーケストラ、所謂ロシア的な泥臭さを排したインターナショナルな響き、エリツィン大統領も客席に来た披露演奏会、颯爽たるテンポで演奏されたブラームスの「第1交響曲」、━━沸き立つような雰囲気に満たされたあの創立時のいろいろなエピソードが、感慨深く甦る。

 今夜のプログラムは、グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」(ソロは牛田智大)、ラフマニノフの「交響曲第2番」、アンコールにはハチャトゥリヤンの「仮面舞踏会」からの「ワルツ」。
 この数年来の演奏と同様、すこぶる豪壮華麗な趣だ。坦々としたイン・テンポで、量感と力感で押して行く。ラフマニノフの交響曲でも壮麗さが前面に押し出されており、音響的な快感という点だけでいえば、文句のない演奏と言えたであろう。

 牛田のチャイコフスキーの協奏曲は、彼の持ち味たる透明で清澄な音色を生かして叙情的な要素を強く加味したスタイルで、これはこれで面白い。だが、それをオケの方が相変わらず豪華な色彩を誇示するような演奏なので、一種アンバランスな感が生じて来る。

 伊熊よし子さんのレポート(プログラム記載)によれば、牛田にこのコンセプトを教えたのはほかならぬプレトニョフ自身であり、「自己を主張し過ぎるな、技巧を見せびらかすな」と指導したというから、・・・・そうなるとこのオケの鳴らし方には、少々解せぬものがある。

 それに、こちらの席(1階18列中央やや右寄り)のせいかどうなのか、ピアノの音が妙に軽く薄く、特に中高域は痩せた響きに聞こえる傾向があった。それゆえ、どうもこのコンチェルトはしっくり来なかった、というのが正直なところである。
 むしろ彼がアンコールで弾いたチャイコフスキーの「ノクターン 作品19の4」の方が、透き通った音色の美しさで成功していただろう。

 終演は9時半を過ぎた。このホールの椅子、私にとっては、妙に座り心地が悪い。

コメント

文京区の成人式用ホールですから、椅子の座り心地は仕方ないですよ。その分、この会場のチケットは、割安なはずです。失礼、招待券か。
共演者に牛田を指名したプレトニョフも病気が治まらないけど、プレトニョフとの共演を受け入れた牛田も牛田だなあ。今の時代に、どうなんだろう。

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シビックホールのシート

私も先生と同じく、シートの座り心地に違和感ありありでしたw。何というか、車のシートと同じかとは思いますが、座席の前後の後ろ部分(臀部側)が下がっていて、小さい子が大人に中途半端に抱っこされてるような感じなんですね。あの座り心地のせいで文京シビックから足が遠のいたほどです。サントリーは幅は標準ですが、私には一番しっくりきます。
ところで、先週の日本フィル-広上さんの定期。広上さんの表現力を日フィルがよく実現していた演奏でした。でも、僕にはまだ”動かない”印象がします。そこは日本のオケの永遠の課題なんでしょうか・・・。

私は日本のコンサートホールの座席はどこも窮屈で心地よいと感じたことがないので特にこのホールだけの問題ではないと思いました。隣の客とくっつきそうになるし低すぎて長時間座ってると尻が痛くなる、腰や膝にも負担がかかります。今度新しいホールを建てる時はこのあたりを考慮してほしいですね。そうすれば「隣の客が足を引っ込めない」なんてクダラン喧嘩は無くなるでしょう。

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