2017-10

2015・6・28(日)関西二期会 ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」

      メイシアター 吹田市文化会館大ホール  2時

 名古屋から新幹線で大阪に移動。
 JR吹田駅は新大阪駅から2つ目だが、ホールは駅からかなり離れており、阪急電車の吹田駅に近い位置にある。この暑い中を延々と歩くのはとてもたまらないので、時間のあるのを利してわざわざ大阪へ回り、梅田から阪急電車に乗るという、地元の人たちから見ればアホみたいなことをやって目的地へ辿り着く。しかも途中、淡路という駅で北千里行きに乗り換える必要があるなどとは露知らず(直通電車もあるらしいが)・・・・余所者はかように要領が悪い。

 さて、関西二期会の第83回公演、ジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」は、2回公演の2日目。
 今日のキャストは、藤田卓也(詩人アンドレア・シェニエ)、尾崎比佐子(その恋人マッダレーナ)、油井宏隆(革命の志士ジェラール)、片桐直樹(シェニエの友人ルーシェ)、山田愛子(侍女ベルシ)、安本佳苗(コワニー伯夫人)、井上美和(老女マデロン)、吉田昌樹(フーキエ他)、荻原次己(マテュー)、藤田大輔(密偵他)、服部英生(裁判長、牢番他)。それにダニール・アジマン指揮大阪交響楽団と関西二期会合唱団、演出はデジャン・プロシェフ━━という顔ぶれだ。

 予想をはるかに上回る見事な歌唱を聴かせてくれたのは、主役の歌手陣である。
 藤田卓也の張りのある英雄的な声は熱血詩人にふさわしく、油井宏隆の凄味をもたたえた力強い声は革命の志士役にぴったりとはまっていた。いずれも、以前観た公演に比して格段にスケールの大きさを増していた。尾崎比佐子は、いつものようにヴィブラートの濃さだけはちょっと気になるけれど、その安定感と張りのある歌唱は、特に第4幕の二重唱で、圧倒的な、驚異的な素晴らしさを発揮した。
 さらにベテランの片桐直樹が、出番の少ないルーシェ役ながら第2幕で存在感充分の迫力を聴かせてくれたのだから、━━これはもう、歌唱面では、国内での最高水準に位置する上演だったと言って間違いない。

 脇役だが、マデロン役の井上美和も悲劇的な味を良く出していたし、マテュー役の荻原次己も、牢番役の服部英生も、おのおのの役柄をうまく表現していた。

 だが、この歌手たちの見事な活躍を支えるべきダニエーレ・アジマンの指揮が、劇的緊迫感を全く欠いて、著しくのんびりしていて、活気がないのだから困る。
 そもそもこれはヴェリズモ・オペラなのであり、しかもフランス革命を舞台にした、興奮と不安とに沸騰する激動の音楽のドラマなのである。本来は、こんなに生気のない、だらだらした音楽ではないのだ。指揮者の解釈が根本的に間違っている証拠だろう。このアジマンという指揮者については、昨年の「ドン・カルロ」の時にも、同じようなことを感じたのだが・・・・。

 大阪響はきわめて丁寧に、きれいに演奏していたが、指揮者の所為で、さっぱり盛り上がらない。全曲最後の十数小節での力強い昂揚個所にいたって、やっと欲求不満を解消できたのではないか? 

 それに加え、プロシェフの演出も、これまた何とも平凡で、メリハリも活気も、なさけないほどに皆無である。なお今回の舞台美術デザインと衣装デザインは、そのプロシェフとAssia Stoimenobeとの共同によるもので、徹底したリアリズムの手法によるものだった。

 20分ほどの休憩2回を入れ、4時50分終演。5時にタクシーを頼んでおいたので、新大阪駅に直行、5時半の「のぞみ」に飛び乗る。

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