2017-10

2015・6・27(土)秋山和慶指揮中部フィルハーモニー交響楽団

      三井住友海上しらかわホール  2時

 愛知県小牧に本拠を置く中部フィルを、今回初めて聴く。長く秋山和慶の薫陶を受け、今年2月に創立15周年を迎えたオーケストラだ。

 現在の指揮者陣は、アーティスティック・ディレクター&プリンシパル・コンダクターが秋山和慶、プロダクション・アドヴァイザー&レジデンス・コンダクターが堀俊輔。なお堀俊輔は楽団主幹をも兼ねる。日本オーケストラ連盟の準会員で、同連盟発行の年鑑によれば、楽員数は今年1月1日の時点で40名。

 定期公演を小牧だけでなく、名古屋、犬山、松阪など各地で開催しているというユニークなオケだが、創立目的が「中部圏の音楽芸術文化の振興と向上を図る」ことにあるので、それも当然なのかもしれない。
 今日は第47回定期演奏会で、「名古屋公演第8回」の由。客席数約700のホールは、ほぼ満席の入りである。

 秋山和慶の指揮で演奏されたプログラムは、モーツァルトの「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」とマーラーの「交響曲第4番」。
 コンサートマスターは客演の根来由美(関西フィルや東京フィルをはじめ内外のオケの客演コンマスとして活躍、最近は東京響のメンバーとQuartet“Vintage”を結成した人でもある)。2曲でのソプラノ・ソロは小林沙羅。

 オーケストラは、さすが秋山が率いているだけあって、均衡を備えた響きで、まとまりがいい。几帳面で整然とした音楽づくりだが、アンサンブルとしての基礎は明確に叩き込まれているという印象である。
 小編成で演奏されたモーツァルトが、端整で引き締まっていて、このホールの規模にもぴったりという響きになっていた。

 マーラーの「4番」は、もともと彼の交響曲の中では比較的編成の小さい作品ではあるものの、それでもやはり聴く前には、このホールには規模が大きすぎるのでは・・・・という漠然たる危惧もあった。しかし、それもやはり練達のマエストロ秋山、ホールの大きさに適合した響きを構築し、第3楽章最後の打楽器群を含む唯一の爆発点においてさえ、些かも飽和することのない音量を保って、ほどよいエネルギーの解放点をつくり出していた。
 これも、実に端然とした佇まいのマーラーである。そうしたアプローチ自体は、一つの考え方だろう。

 ただ、2曲を聴いた印象で言えば、このオーケストラの演奏には、冷徹なほどに端整で、些か慎重に過ぎる堅苦しささえ感じられた、というのが正直なところだ。もう少し、しなやかな躍動感、寛いだ明るい表情、自然に沸き上がる演奏の楽しさ、といったものが欲しい。だがこれは、たった1回の演奏会を聴いただけであれこれ言える類のものではない。

 つい先日「フィガロの結婚」のスザンナで大活躍した小林沙羅が今日も気を吐いた。モーツァルトは、あまり軽快なスタイルではなく、なだらかな表情で歌われた。マーラーもかなり劇的で、オペラの歌唱のような感もあったけれども、それはオーケストラの演奏が生真面目で、やや生硬であったため、対照的にそう感じられたのかもしれない。
 だがともあれこの「第4交響曲」の第4楽章(フィナーレ)を、「アダージョ」を頂点とした後の「エピローグ」として位置づけるのでなく、文字通り全曲の「大団円」として解釈するなら、彼女が歌ったようなスタイルも説得性があるだろう。事実、秋山の解釈は明らかに全曲の頂点を第4楽章に置いていたように感じられる。

 なお、今日は1階席の後方から2列目、上手寄りの位置で聴いたのだが、ステージ上手側に配置された5本のコントラバスが異様に共鳴して、甚だ聴きにくいものがあった。多分上手側の壁とバルコン席の屋根に反響していたのだろうと思うが・・・・。

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