2017-10

2015・6・20(土)アラン・ブリバエフ指揮日本センチュリー交響楽団

     ザ・シンフォニーホール(大阪)  3時

 新幹線の都合で、少し早めに着いてしまったが、この会場は欧米の多くのホールや歌劇場と同じように、開場が早く、1時間も前からホワイエで軽食や飲み物を楽しみつつ過ごせるのがいい。
 東京のホールでも、客を開演30分前まで外で待たせるのでなく、早めにロビー開場だけでもできないものか、そうすればバー・コーナーも儲かるだろうに、と以前から思っているのだが━━。
 もっとも東京のホールは概して狭い敷地にギチギチで建てられているから、ホワイエが狭く、どうしようもないのかもしれない。サントリーホールなど、ロビー開場をしても、たちまち外まで客の行列ができて、むしろ混乱するだろう。東京文化会館や新国立劇場だったら、可能だろうと思うが・・・・。

 本題。
 昨年4月から日本センチュリー響の首席客演指揮者を務めているのが、カザフスタン出身の若手、アラン・ブリバエフ。彼とこのオケの演奏は、昨年7月の就任記念定期の時にも聴きに来たことがある。今回は、彼による「ロシア音楽シリーズ」の「初動回」でもあり、どんな指揮をするだろうか、と思い━━。

 プログラムは、ムソルグスキー~ショスタコーヴィチ編の「ホヴァーンシチナ」前奏曲「モスクワ川の夜明け」、ショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲第1番」(ソロはヨシフ・イワノフ)、ムソルグスキー~ラヴェル編の「展覧会の絵」。
 昨年7月の「鳥」プロと同様、今回も選曲に工夫を凝らしている。しかも、「モスクワ川の夜明け」は、前日はリムスキー=コルサコフの編曲版、今日はショスタコーヴィチ編曲版で演奏するという趣向だ。小さな趣向ではあるが、なかなか凝った丁寧な企画で、好感が持てる。

 ブリバエフは、ストレートで生真面目なアプローチで、筋肉質の音楽を組み立てる。「展覧会の絵」では、この編曲版の華麗さや、洗練された管弦楽法、などといった要素は措き、むしろ無骨なほど素朴な力感に重点を置いて作品を構築している(ように感じられる)。
 これに応える日本センチュリー響(コンサートマスターはゲストのジェームズ・カドフォード)も、力演だった。トランペット・ソロは元気よく活躍し、テューバは完璧とは言えないまでも力一杯吹いた。演奏全体には、しなやかさやユーモアはなかったけれども、ひたむきさが感じられたことはたしかである。

 1階席15列で聴いた範囲では、オーケストラの音には均衡が保たれていたが、テュッティの個所では弦が金管にマスクされ、響きも薄くなって、もう少し鳴って欲しい感もあった・・・・ただこれは、上階席で聴けば、もっと違う印象も得られたかもしれない。「バーバ・ヤガーの小屋」から「キエフの大門」にかけての盛り上げは、なかなかのものがあった。

 協奏曲では、野性的で骨太で、無骨で強靭なソロを弾くイワノフが気を吐いており、オケもそれに応じてもう少し闘争的になれば、さらに白熱的な演奏になったことだろう。
 「モスクワ川の夜明け」では、管のソロに今一つ物足りないものがあったが、これは昨年聴いたレスピーギの「鳥」と同様で、こういうニュアンスの細かい演奏になると、このオーケストラにはもっと頑張ってもらいたいなという気がしてしまう。

 なお、日本センチュリー響は、この4月から、定期演奏会を年10回から8回に減らし、その代り各回を2日公演にした由。これに、いずみホールでの「ハイドン・マラソン」と「四季コンサート」各3回ずつのシリーズを併せたものが年間活動の柱だそうだ。
 したがって定期は、今シーズンは4月に続くこれが2回目ということになるが、2日制になった公演の客席を充分に埋めるには、未だ時間を要するだろう。演奏水準をいっそう高めることが、何より必要と思われる。

コメント

同じ日、6/20日を聞きました。東条先生が来られているのは分りました。このプログラムではいつもショスタコのvn協奏曲1番をめあてに出かけるのです、この曲の後に耳タコの曲がくると白けることが多いけれど今日は「展覧会の絵」迫力充分でそういうことはなかった、
弦12編制で金管が鳴ると弦がマスクされるのは同じでした、
vn協奏曲の奏者も冒頭なめらかな歌いまわしが魅力であった少し線が細くオケにマスクされぎみでオケともども白熱まで行かなかったのは残念、
展覧会の絵はこの指揮者の才能発揮の見通しのよい迫力あるものだった。このオケの堅実さにコクが加わればいいのだが。....1曲目の前奏曲は前夜の後の疲れか木管のアンサンブルらが珍しく不調、
だが2回の定期は意欲的でオケにはいいこと、今後を期待したい。

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