2019-05

6・2(月)アルバン・ベルク弦楽四重奏団解散 最後の日本公演

  サントリーホール

 一代の名カルテット、アルバン・ベルク四重奏団への別れの日が、ついに来てしまった。
 ウィーン・アルバン・ベルク・カルテットという名称で70年代初頭に檜舞台に登場してきた時には、何とまあ鋭い感性を持った歯切れのいい弦楽四重奏団が出現したのだろうと驚嘆させられたものである。爾来40年近く、われわれはどんなにこのカルテットの演奏に魅惑されてきたことだろう。

 今日は、今回の日本ツァーの最終日。文字通りお別れの日となった。
 メンバーは、第1ヴァイオリンがギュンター・ピヒラー、第2ヴァイオリンがゲルハルト・シュルツ、チェロがヴァレンティン・エルベン。だがヴィオラには、あのトマス・カクシュカの姿はもはや見えない。彼は3年前に世を去ったのだ。その代わり、3年前に加わった女性のイザベル・カリシウスが立派に弾いている。

 プログラムは、ハイドンの「第81番」で始まり、ベルクの四重奏曲作品3、ベートーヴェンの「第15番」と続き、アンコールにはベートーヴェンの「第13番」からの「カヴァティーナ」が演奏された。
 彼らのトレードマークともいうべきベルク作品の演奏の凄さもさることながら、「第15番」の第3楽章での深い、張りつめた堅固な祈りの歌の感動を何に喩えよう。ホールをうずめた聴衆は、文字通り息を止めて聴き入っていた。アルバン・ベルク四重奏団の演奏には強い印象を残したものがこれまでにも数多いが、その中でもこの「モルト・アダージョ」のすばらしさは、生涯忘れ得ないだろう。
 アンコールでの「カヴァティーナ」を演奏し終った時、メンバーは、あたかも祈りでも捧げているかのように、長いこと身動き一つしなかった。聴衆も息を潜めて、じっとそれを見守っていたのであった。

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