2017-10

2015・6・15(月)エルサレム弦楽四重奏団

    紀尾井ホール  7時

 1996年デビューという。第1ヴァイオリンがアレクサンダー・パヴロフスキー、第2ヴァイオリンがセルゲイ・ブレスラー、ヴィオラがオリ・カム、チェロがキリル・ズロトニコフ。「イスラエル出身」のクァルテットだが、メンバーの名前だけ見れば、まるで北国系のクァルテットのような・・・・。

 プログラムは、モーツァルトの「第14番ト長調K387」、スメタナの「わが生涯より」、シューベルトの「死と乙女」というもの。何だか日本公演向けの名曲プログラムのような気もするし、これらが彼らの本当に得意のレパートリーなのかどうかわからないけれども、とにかく演奏は明快で、力強さがある。デュナーミクには極めて細かい設計を施しているようで、モーツァルトの冒頭からフレーズごとに強弱の変化が聴かれ、音楽に起伏がつくられている。

 ただ、そのわりに全曲を通して聴くと、何か単調な印象を免れないのは、演奏における音色と表情にあまり変化がないからではないだろうか? 
 「死と乙女」など、なかなかダイナミックな演奏だが、最初から最後まで単彩な表情に終始した感がある。特に第2楽章の主題の変奏では、ひとつの変奏ごとにもっと感情の変化がこめられていてもいいのではなかろうか。

 また「わが生涯より」の最終部分━━つまり作曲者が聴覚を失った後を描いた個所だが━━でのトレモロはすこぶる物凄かったが、そのあとの空虚感、遠い思い出、絶望感といったものを表出するには、未だしの感がある。それは、メンバーが若いから、ということもあるかもしれないが、あるいは彼らの感性から、そういう部分にのめり込むことを最初から拒否しているのかもしれない・・・・。

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