2017-07

2015・6・11(木)ミロ・クァルテットのベートーヴェン第2夜

     サントリーホール ブルーローズ  7時

 恒例の「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」、今年の開催期間は6月6日~21日。
 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲を演奏するのは、今年はミロ・クァルテットである。創立は1995年。メンバーは第1ヴァイオリンがダニエル・チン、第2ヴァイオリンがウィリアム・フェドケンホイヤー、ヴィオラがジョン・ラジェス、チェロがジョシュア・ジンデル。このうち第1ヴァイオリンとチェロが創設時からのメンバーの由。

 今日の第2夜は、第7番から第9番まで、つまり「ラズモフスキー」の第1番、第2番、第3番というプログラムだ。
 演奏にあふれるエネルギー感と推進性が、実に見事である。フレーズや和声も強靭な力感で構築されており、たたきつけるような激しいアクセントが演奏全体に充ち溢れる。ベートーヴェンの中期の作品特有の「精神の爆発」が、若々しい表情をもって、鮮やかに再現された演奏、と言っていいだろう。

 この明るい、満々たる意志力に富んだ骨太な「ミロ・クァルテットのベートーヴェン」が、先行き、後期の作品群においてはどのような展開を見せるのか━━つまり、変貌して行くのか、それとも違和感が生じることになるのか、ということだが━━すこぶる興味深いが、残念ながら今回彼らの演奏を聴けるのは、今夜だけ。

 いずれにせよ、テクニックもしっかりしているので、昨年出演した欧州の名門楽団メンバーによる四重奏団とは全く違う意味での小気味よさ、痛快さが演奏に感じられるだろう。 
 チェロが殊更によく響き、そのため内声部に厚みが増し、中低音に力強さが感じられるというバランスに聞き取れたが、これは聴いた位置の関係があるかもしれないから、この四重奏団の特徴と即断するわけには行かない。

 演奏開始直前に、客席でまたひと騒ぎあった。ひとりの高齢の御仁が、大声でホールのスタッフを呼び、隣の席に座っている(これも初老の)男が足を引っ込めてくれないのだがどうしたらいいんだ、とわめき出した。呼ばれたレセプショニストは「ちょっとお待ち下さい」と言ったまま去ったが、その直後に演奏者が登場して演奏開始。結局、ホールとしては「放置」という形になったわけだが、正解だろう。そもそも、こんなガキみたいな喧嘩は、放っておくに限る。まあ、その御仁にも、せっかくチケットを買って、楽しみにして聴きに来たであろうのに、と同情はするけれども・・・・。

 それにしても最近、すぐキレて怒鳴りはじめるなど、騒ぎを起こす高齢者の男が異様に多くなった。先日もここの大ホールのP席で開演前にゴタゴタやっている光景が見えたし、きゅりあん大ホールでの芥川也寸志作品演奏会(5月31日)では、プレトークのさなかに、「ホールの係が案内してくれないから自分の席が何処だかわからないじゃないか」と、相手もあろうに舞台上の解説者に向かって怒鳴りはじめた男の老人がいた。
 クラシックの演奏会でトラブルを起こすのは、たいていが男の中年以上、その大部分が高齢者だ。なさけないことである。分別あるはずの世代がやることかと思う。━━そういうお前は、そんな偉そうなことを言っていて大丈夫なのか、と皮肉を言われることは判っているから、これは同世代としての憂慮自省の意味で書いているわけだが。

コメント

確かに荒れてますが、ただそれと同様にホールの係りの方のレベルも多少さがっているように感じられます。…というか、同じ目線の高さで話を受けてくれない人が多いというか。もっともこんなに荒れた年配ばかりでは神経がすり減ってしまい仕方ないのかもしれませんが…。あと最近ホールの客席の不必要なノイズが妙に多くないでしょうか。これも聴衆の高齢化からきてるとすれば、このあたり今後けっこう問題になってくるかもしれないですね。

気づかせる意味というのも

私もいろんなところで出くわします。本人同士のトラブル、係員への苦情申し立て等々・・・。ゆえに、私などは無用のトラブルを避けるために忍従やむなしというのが常なのですが、しかし、気づいていない人に気づかせるというのもあっていいのではないかと悩みます。
土曜の芸術劇場、A席でユニクロのやや固めのビニール袋を膝に置いた女性、きっとチャリチャリするだろうなと心配していたらもぞもぞするからか鳴るわ鳴るわ、盛大に。隣の人は途中で席をチェンジ、でも気づかず最後までチリチリ、チャリチャリ。アンコールではまっさきに「ブラヴォー」。それほどの音楽好きならマナーも心得ていそうなのにダメなんですねぇ、これが。こういう人は言われるまでその問題に気づかない人なんだろうから言ってあげた方が、こうやって周りから睨まれるよりいいような気もするんですがどうなんでしょう・・・難しい問題ですね。
先のコメントで高齢化に触れておられましたが、知人の話でひとつ。「その袋うるさいんで下に置いてもらえますか」「は~?」「あの、その袋が雑音に・・・」「え、なんですか?」「あの~・・・」「よく聞こえないんですが・・・」。マナー以前の問題かもしれません。お粗末さま。

いますね・・・こうゆうホールの座席を電車の座席と勘違いしてる人。中には「俺は両方の肘掛を使いたいんだ」とばかりに隣の客の肘を自分の肘で追いやる人もいるとか。私だったらレセプショニストを全く信用していないので間接的なことはせずもっと早い段階で直にケリをつけてますが・・・(この客のように大声で怒鳴ることはしません)。でも何もしないよりはよかったのではないでしょうか?周りの客が見ているのでコンサート初心者にはいい薬になります、「ああ、こうゆうことすると怒られるんだ」と。なので積極的に注意はするべきです。然しコメントにあったような耳も頭もおかしい人はいくら言っても無駄でしょう。予約してチケットを買っていれば何処の誰かはわかるでしょうから写真の一枚でも撮って日本中のホール、オーケストラ事務局、招聘元などにバラ撒くというのも一興かと・・・(笑)。とにかく何もせず放っておくというのはよくありません。生のコンサートというものは演奏者と聴衆が共に作りあげていくもの、一人でも迷惑な客が居れば周りの雰囲気も悪くなり、それが演奏者にも伝わり最終的に演奏の出来にも影響してくるでしょう。まともな客同志が一丸となって根絶させなければならないことなのです。私は既に一人で実行してます。K大学教授のK先生は自著の中でこのように言っています。「あなたがバカに対して自分自身でただのひとことも文句を言わないのなら、あなたはバカと同じである。いや、バカよりさらにたちが悪い臆病者である」と。皆で快適なコンサートの実現を目指そうではありませんか!

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