2017-06

2015・6・9(火)庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオ

     サントリーホール  7時

 庄司紗矢香(ヴァイオリン)とジャンルカ・カシオーリ(ピアノ)のデュオ・リサイタル。日本で聴くのはこれが3度目。聴くたびに、その演奏スタイルが変貌して行く。
 前回(2012年10月30日)の演奏は、彼女の音色といい、ピアノとのバランスといい、どうも腑に落ちないところがあったが、今回はその前の2010年(11月8日)のスタイルにまた近くなったともいえようか。

 今日のプログラムは、モーツァルトの「ト長調K.379」とベートーヴェンの「第6番イ長調」のソナタ、ストラヴィンスキーの「イタリア組曲」とラヴェルの「ソナタ ト長調」。ちなみにアンコールは、シュニトケの「祝賀ロンド」とシルベストロフの「ポスト・スクリプトゥム」第2楽章という曲だった。

 モーツァルトも、ベートーヴェンも、それはそれで卓越した演奏ではあったが、私がいっそう心を打たれたのは、「イタリア組曲」だ。
 その演奏の、変幻自在な表情、官能的なほどの色彩感などは、ストラヴィンスキーの所謂新古典主義のスタイルを完全に脱却した大胆なアプローチではないか。5曲目の「スケルツィーノ」は、もはやベートーヴェン風の荒々しいスケルツォと化し、しかも、何とも人を食ったような表情を示すにいたる。
 こういう読み替え的な演奏を、実に美しく鮮やかに、確信に満ちた音楽づくりで展開し、聴き手を納得させてしまうのだから、庄司もカシオーリも、本当に凄いものである。

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