2017-08

2015・6・8(月)ラドミル・エリシュカ指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
ドヴォルジャーク:「スターバト・マーテル」

       フェスティバルホール  7時

 西日本は雨と聞いていたが、フェスティバルホールは地下鉄の肥後橋駅直結だから大丈夫のはず、と傘を持たずに行ったら、なんと肝心の連絡通路は「バリアフリー工事」のため(向こう2年間)閉鎖されており、地上に出て雨中の交差点を渡らなくてはいけないことになっていた。他国者はつらい。

 コンサートは、大阪フィルハーモニー交響楽団の6月定期。チェコの人気指揮者ラドミル・エリシュカが客演指揮、ドヴォルジャークの大曲「スターバト・マーテル」を振る。
 協演は福島章恭指揮の大阪フィルハーモニー合唱団、声楽ソロは半田美和子(S)手嶋眞佐子(A),望月哲也(T),青山貴(Bs)。コンサートマスターは崔文洙。

 名匠エリシュカが大阪フィルから引き出す音楽の、なんという温かさ、柔らかく慈しむような音。これは彼ならではのものだ。
 今回は2階席下手寄りで聴いたが、大阪フィルの弦が柔らかく膨らみのある音で響いており、しっとりした音色が堪能できた。宏大な空間を持つフェスティバルホールでは、2階で聴くと、オーケストラの音はやや遠く聞こえる。それが演奏の印象にも影響しているのかもしれない。

 エリシュカは、以前にも札響を指揮してこの曲を演奏したことがあり、あれもヒューマンな香りに満ちた、「心より出でて心に入る」といったような名演だったが、今回の大阪フィルとの演奏も、それに勝るとも劣らぬ素晴らしいものであった。ドヴォルジャークが、わずか2年の間に幼い長女、長男、次男を相次いで喪った悲しみを投影させたこの「スターバト・マーテル」━━エリシュカの滋味あふれる指揮で聴くと、わざわざ遠くまで行っただけのことはある、と思うようになる。

 声楽ソリストのうち、テナーの望月の力み返った癖のある歌い方は、なだらかな管弦楽の表情と全く異質のように思える。その一方、バスの青山が力のあるストレートな歌唱で気を吐き、女声2人も健闘した。
 だが何といっても、今夜の演奏でオーケストラとともに光ったのは、合唱団だろう。120人以上の大編成だが、きわめてバランスの良い響きで、ふくらみがある。テナーの高音にちょっと粗いところはあったものの、それはほんのわずかの瑕疵に過ぎない。

 8時40分、演奏終了。9時10分新大阪発の新幹線で帰京。帰宅は11時45分。

コメント

東条さん、いつも楽しみによんでおります。
エリシュカの音楽は暖かく、一音一音大切に紡いでいくような様は、涙なしには聴けませんでした。
しかし、特に管楽器の力量不足には閉口しました。出だしが合わない、音程が合わないは、さすがにエリシュカ氏でもどうしようもなかったですね。最終和音のオーボエ奏者のミスは…。
しかしそれを補って余りある、エリシュカの音楽づくりと、福島氏率いる合唱。これを聴けただけで大満足でした。

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