2017-10

2015・5・31(日)モーツァルト・マチネ ウルバンスキ指揮東京響

    ミューザ川崎シンフォニーホール  午前11時

 今日のスケジュールからすると少々きつかったのだが、クシシュトフ・ウルバンスキが指揮するモーツァルトは如何なるものなりや、という興味もあって、聴きに行ってみた。

 彼は「クラリネット協奏曲」と「交響曲第40番」を指揮したのだが、その演奏の端整さに驚く。
 あたかも、敬愛する大作曲家の前に膝まづき、まるで初めてこの作品群を手がけるような敬虔な態度で、一音たりとも疎かにせず、自身の恣意的な解釈は一切控え、全ての音符に注意を払い、丁寧に完璧に仕上げて行こうとする指揮だな━━と、正直、聴きながらずっとそう思っていた(あとで事務局から、ちょっと意外な話を聞いたのだが、ここで明らかにしていいかどうか判断がつかないので、とりあえず省く)。

 だが、こういう率直な演奏は、悪くない。ウルバンスキは、前者では、エマニュエル・ヌヴー(東京響首席クラリネット)のソロを柔らかい音で几帳面にサポート、この曲の透明感に満ちた彼岸的な美しさを率直に再現していた。一方、後者ではノン・ヴィブラート弦の明晰な音色を中心に、かっちりとした音楽をつくり上げていた。

 もっとも、グレブ・ニキティンをコンサートマスターとする今日の東京響ならば、こういった演奏の大部分は、自分でつくれるだろう。いや、本当に、自らつくっていたのかもしれない。
 いずれにせよ、いかに俊英といえども、ウルバンスキのモーツァルトについてあれこれ判断を試みるのは、今日の演奏からだけでは、ちょっと無理だ。

 なお「40番」は、反復個所をすべて忠実に守ったので━━つまり第2楽章だけでなく、第4楽章の「展開部以降」の反復も忠実に行なった━━演奏時間は40分近くに延びた。
 全曲が終ったはずのところで、演奏が再び展開部冒頭に戻った瞬間に、隣の人がチラリと腕時計を見た。「ここも繰り返すのか、こりゃ長くなるぞ」と思ったのだろう。曲を知悉しておられますな。気持は解ります。私は、この曲はモーツァルトの交響曲の中で最も好きな作品だから、「第4楽章を2回聴く」結果になっても、苦にはならないけれど。

 12時半、川崎駅から京浜東北線に乗り、3つ目の大井町駅で降りる。駅に近接して「きゅりあん大ホール」がある。

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