2017-07

2015・5・30(土)ユーリ・テミルカーノフ指揮読売日本交響楽団

    横浜みなとみらいホール  2時

 ユーリ・テミルカーノフ、久しぶりの客演。リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」、ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」と「ダフニスとクロエ」第2組曲、アンコールにはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」からの「パ・ド・ドゥ」が演奏された。
 協奏曲でのソリストは河村尚子、コンサートマスターは日下紗矢子。

 テミルカーノフは、年齢を重ねるにつれ、だんだんテンポが遅くなり、響きには重厚さと壮大さと壮麗さがいっそう増しているように思われる。「シェエラザード」の冒頭は、極度に重々しいテンポで、暗く開始された。それはまるでシャリアール王が、威圧的な暴君としてでなく、疲れて陰鬱な、疑い深い王として姿を現したかのごとくに聞こえる。だがもちろん、作品全体としては、充分に華麗で劇的な表現だ。

 何より、コンマスの日下紗矢子の表情豊かなソロが素晴らしい。シェエラザード姫の意志の強い、雄弁な説得力を表現するような語り口なのである。これは、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団第1コンサートマスターをも兼任する彼女の本領が発揮された演奏と言えるだろう。

 続く「左手のための協奏曲」は、これは当然、河村尚子のスケールの大きな、風格と色彩の変化に富んだ演奏が聞きものだった。何故かこの曲では、テミルカーノフも読響も、演奏の密度という点で、若干物足りないものがあったのである。
 しかし、そのあとの「ダフニス」の演奏は、指揮者とオケの相性の良さが最良の形で表出された例の一つではなかろうか。そしてもちろん、チャイコフスキーは、さすがの味だ。この2つの作品では、読響の強靭な実力がものを言った。

 テミルカーノフ、今回の客演では、マーラーの「3番」やショスタコーヴィチの「10番」を指揮することになっている。期待できそう。

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