2017-08

2015・5・21(木)バッティストーニ指揮東京フィル イタリア・プロ

    東京オペラシティ コンサートホール  7時

 「トゥーランドット」で聴衆を熱狂させた首席客演指揮者アンドレア・バッティストーニが、今度はロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ、レスピーギというイタリアの大作曲家の系譜によるプログラムを指揮した。

 今日も彼は、オーケストラをよく鳴らす。東京フィル(コンサートマスター 依田真宣)も、実に小気味よく鳴り渡った。大きな音を出すからいいと言っているわけではない。が、こういうブリリアントで開放的なオーケストラ・サウンドは、南国イタリアの音楽が持つ生命感を余すところなく再現するだろう。そういうサウンドは、これまで日本のオーケストラからは、なかなか聴かれなかったものなのである。そしてバッティストーニは、東京フィルを、存分に鳴らしながらも、極めて引き締まった、均衡を保った音で響かせたのだった。

 1曲目は、ロッシーニの「コリントの包囲」序曲。ナマでは滅多に聴けぬ曲だ。ロッシーニの作品としては珍しく、どっしりとした重厚な響きが魅力的だが、これをコーダまで巧く劇的に盛り上げるのは、どんな指揮者にとっても至難の業らしい。かつてのトスカニーニ=NBCのような、巨大な山脈の起伏のような演奏は、なかなか聴けないものである。

 2曲目にはヴェルディの「シチリア島の夕べの祈り」からの舞曲が演奏された。これも極めてバランスのいい響きの演奏で、特に後半での弾むような躍動的な迫力は見事というほかはない。曲としては至極つまらないものだが、演奏は鮮やかだった。

 休憩後、プッチーニの作品から「交響的前奏曲」。トランペット群の輝かしい音色が映える一方、バッティストーニのイタリア人らしいカンタービレも発揮されたコーダの美しさが強い印象を残す。
 最後は、レスピーギの組曲「シバの女王ベルキス」。吹奏楽の方面ではともかく、オーケストラの演奏会ではほとんど取り上げられないレパートリーだろう。これまた大スペクタクルな音の饗宴で、聴衆を湧かせるには充分の演奏であった。これを聴くと、レスピーギがいかに1940~50年代のハリウッドの史劇映画音楽に大きな影響を与えた作曲家であるかということが判る。

 東京フィルは、いい指揮者を見つけたものだ。

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