2017-07

2015・5・16(土)宮崎国際音楽祭「チャイコフスキー 激情のシンフォニー」

   メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)
   アイザックスターンホール  3時

 ピンカス・ズーカーマンが宮崎国際音楽祭管弦楽団を指揮して、チャイコフスキーの作品を演奏。「メロディ 作品42の3」「アンダンテ・カンタービレ」「ノクターン 作品19の4」、「交響曲第5番」というプログラム。

 「メロディ」ではズーカーマン自ら弾き振りをしたが、何故か少々不安定。続く2曲ではアマンダ・フォーサイスがチェロのソロを弾いたが、これまたおそろしくふらついたソロで━━というわけで、前半はどう贔屓目に見てもあまり冴えない出来だったと言わざるを得ない。

 交響曲の方は、ズーカーマンが指揮に専念しての演奏である。実は私は、彼が大オーケストラを指揮するのをナマで聴いたのは今回が初めてなので、彼の指揮者としての力量について云々するほどの材料を持ち合わせていないのだが、この日の演奏だけに即して言えば、良く言えば作品にひたすら忠実に、あくまで生真面目に音楽をつくって行く指揮だということになるか。反面、歯に衣着せずに言えば、あえて何にも手を加えずに単に演奏して行くだけの指揮、ということかもしれない。

 いずれにせよ、「激情のシンフォニー」とはどう見ても言い難い「5番」の演奏だった。この程度の指揮なら、この宮崎国際音楽祭管弦楽団のような、国内の首席奏者級あるいはソリスト級の楽員が中心となって構成されているオーケストラなら、指揮に頼らずとも自ら音楽をつくって行けるだろう。
 オケのメンバー・リストには、例えばヴァイオリン・セクションならコンサートマスターの徳永二男を先頭に、礒絵里子、漆原朝子、漆原啓子、川田知子、扇谷泰朋、小森谷巧、佐分利恭子、三浦章宏、松浦奈々ほかといったような、錚々たる顔触れが並ぶ。こういうオケなら、なおさらだろう。
 それに今日のトランペット━━高橋敦と中山隆崇(都響)と田中敏雄(読響)が、流れるように美しい起伏をつけて吹いた第4楽章最後の頂点の見事なこと。この辺りは指揮者の注文なのかもしれないが、演奏者の巧さが指揮者の存在を忘れさせるといった現象でもあった。

 最後はズーカーマンが奏者の楽器を借りて「子守歌」を弾き、場内の客がハミングで和するという、音楽祭ならではの一幕もあってお開きとなる。

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