2017-08

2015・4・21(火)ニュー・チューリッヒ管弦楽団

    サントリーホール  7時

 1990年結成という、スイスに本拠を置くオーケストラが来日。
 マルティン・シュトゥーダーという人が首席指揮者で、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、ロドリーゴの「田園協奏曲」(フルート・ソロはフィリップ・ユント)、ドップラーの「リゴレット幻想曲」(フルート・ソロはユントおよび佐久間由美子。いずれもゲスト・ソリストである)、チャイコフスキーの「交響曲第5番」というプログラムだった。

 言っちゃ何だが、こんなひどいオーケストラは聴いたことがない(もちろん、ゲスト・ソリスト2人の演奏は別としてである)。アンサンブルが崩壊寸前━━どころの騒ぎでなく、のべつ崩壊状態に陥るのをはじめ、ずれる、はずす、飛び出す、音を抜かす、といった事故も数知れず。ホルン、トランペット、ファゴットの各1番の下手さ加減、いい加減さは、この世のものとは思えぬほどだ。

 ホルンの1番は「フィガロ」からずっと滅茶苦茶さが目立っていたが、チャイコフスキーの第2楽章のあの長いソロだけは何とか最後まで吹き切った━━と思いきや、最後の高音の二つの音符(第28小節)を、何と見事に「省略」してしまった!
 トランペットの1番も同様、立て続けに音をはずす。交響曲の第4楽章クライマックスの最強奏の主題(第550~554小節)では何と息が続かず、最後の下行音がF・Oになってしまうというお粗末さだ。ファゴットの1番も、都合の悪い個所を吹かずに済ます・・・・。他の管も似たようなもの、次の最強奏のフレーズに入る直前の音を最後までちゃんと吹かずに息継ぎすることさえあったほどで・・・・。
 弦も雑然、「フィガロ」で音をはずしたのには唖然とさせられた。それに、そもそも第1ヴァイオリン7人、コントラバス2人・・・・などという編成でチャイコフスキーの交響曲を演奏すること自体が無理だし、しかも情けないほど音が薄い。

 世の中には、信じられないようなオーケストラがあるものだ・・・・。
 オケのプロフィールを読むと、「世界各国の優れた若手が集まり」と書いてあるけれど、正体はいったいどういうオケなのだろうか。
 たとえ下手でも、一所懸命演奏しているならまだ良しとしよう━━だが、音を勝手に抜いたり、いい加減に演奏したりするのは、音楽家として許されるべきことではないでしょう。これは、オーケストラでなく、著しく非良心的で不誠実なグループであった━━指揮者も含めて。

コメント

当方手元にチケットが回って来ておりましたが、何か勘が働いて、足が向かいませんでした。
行った友人から、「スーパーオケ、ある意味。大泣」とレポが入る。
チラシは誘引する物ですから良いことばかり書くでしょう。しかし、紙媒体(有名フリーマガジン)でも、記事(広告文ではない)や公式ツイッターで良いことばかりが発信されていました(「スイスで最も注目を集める新進オーケストラ」「世界各国から俊英たちが集結」「サイモン・ラトルら巨匠たちの薫陶を受け」等々)。
ふむ、これってどうなんだろうかと思いました。
A席8000円、B席6000円、C席4000円なり…。
たまたま楽団全体が不調だったと言うことと解すればいいのでしょうか?
ズバリ書かれる東条さんの評。だから多くの支持が集まるのでしょう。

呼び屋!

そうなんですか、、ト-ンハレ管も騙りに迷惑ですね。

現在世界で日本でトップクラスオケより上手いところは2つ、3つくらいで指揮者次第では頂きに立つくらいですので、誠意もって天狗にならずキッチリ指導してくれる指揮陣と頑張りましょう。


どこでもボロイ外車を好きな人たちはおります。

いつも楽しみに拝読させていただいております。私も昨晩サントリーに行きました!。席は2階LBブロックです。私も先生と全く同じ印象で、1曲目の「フィガロの結婚」序曲から、とにかく弦がまるで鳴らないわホルンは危なっかしいわ、アンサンブルは破たんしないかとヒヤヒヤものでした。救いはフルートのソリスト2名。でも、この2人が終わった直後のカーテンコールも、指揮者との息がまったく合わず、指揮者は勝手気ままにスタスタと歩いて行ってしまう始末(笑)。
編成が小さいのも、さすがにチャイコフスキーでは、最低でも12型ぐらいにはなるだろうという私の淡い期待はもろくも崩れ去り、衝撃のコントラバス2本!・・・。演奏はもう先生のブログの通りであります。2階席に先生のお姿が見えたので、どんな感想をお書きになるのかと、変な期待をしてしまいました。先生、チャイコフスキーが終了後にお席をお立ちになられましたが、実はその後3曲もアンコールをやったのです!(「カルメン前奏曲」※シンバルなし、「ハンガリー舞曲no.5※トライアングルなし、3曲目はハンガリー舞曲の途中からもう1度)。客席はスタンディングオベーションの方も数人いらして、結構拍手喝さいでした。
それにしても、コンサート前の指揮者の結構長い講釈といい、あれを言うなら招聘元がしっかりプログラムに明記すべきだと思います。私も相当数のコンサートに通ってますが、ここまでお粗末な演奏をするオケ(プロか?アマか?どちらなんでしょう?)は初めてです。終演後によっぽど主催者カウンターの女性に、オケの素性を伺おうかと思いましたが、止めてしまったのが悔やまれます。

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すっきりしました。

当日、Pブロックで聴いていたのですが、全く先生のおっしゃる通りで拍手する気にもなれませんでした。日本のアマオケでさえ、もっと聴きごたえがある演奏をしてくれる楽団があると思いました。
あんな演奏でもブラボーが出るということが不思議でなりませんでしたが、関係者とか、いわゆるブラボー屋さんなんでしょうか。
いずれにしても、よくぞ書いて下さいました、ということで少しスッキリしました。
ありがとうございました。

私は全く興味がわかなかったので行きませんでしたが(タダでチケットを貰っても行かなかったかも)そんなに物凄いヘッポココンサートならある意味金払ってでも聴く価値があったかも・・・。ところで客席の反応はどうだったのでしょうか?猛烈なブーイングを浴びせる人は居なかったのでしょうか?コメントを読むとブラボーもあったとのことですが・・・どう感じようと自由ですが世の中どれだけ耳(頭?)のおかしい人間が多いかということでしょうね。日本の聴衆は完全にナメられてしまいましたよ。         因みに私が聴いた一番ひどいコンサートは記憶にある中ではデーヴィッド・ジンマン/N響 マーラー7番でした。冒頭のテノールホルンから外しまくりオケ全体もギクシャク、それがそのまま持ちなおすことなく最後まで続いていく。指揮者のせいじゃない、明らかにオケ側の怠慢である。特に管はズタボロだった。フィナーレの冒頭、ティンパニのソロの後のトランペットが一番高い音の箇所で狙ってたかのように外す、これには椅子から転げ落ちそうになる程ズッコケた。おいおい、そこで外すかよ・・・。そんな中でもチェロの藤森さんなど全身全霊で演奏しているような人もいて、そうゆう人が滑稽に見えてしまう程で心底情けなかった。それでいで最後の音だけがやけにバカデカイ(やけくそ?)(この時もブラボーがでていた!信じられない・・・)。終演後、客席の方に向いたときの指揮者の気の毒な表情がいたたまれなくなり私はその時点で席を立って退場した(今思えば指揮者が袖に引っ込んだ後にブーイングするべきだった)。翌日、横浜みなとみらいホールでのインバル/都響のコンサートに行くとあちこちの客から前日のN響の文句が聞かれた(ならばブーイングすればよかったのに・・・)。その演奏が素晴らしく感じた時にブラボーを言うのであればマズイと感じた時にはブーイングをしても良いと思うのです。そうでなければ演奏者も聴衆も更に弱体化していくばかりでしょう。〈追記〉デーヴィッド・ジンマンは今年の5月にもN響を指揮するはずだったがキャンセルした。手術とのことだが私はこの時のことが思い出されて恐れをなしたんじゃないかと勘ぐっている。

今頃失礼します。それほどひどいコンサートがあるとは。それに対してブーイングも良いと思うしブログできちんとありのままを書くのは全く問題ないと思います。ただ、そんな演奏に「ブラヴォー」の声があるのは致し方ないかと思います。東条先生はじめコメントされてる方程には音楽の良し悪しを聞き分ける耳の無い聴衆は一定数いると思います。(私もそうかもしれないし、それほと酷かったら私でも分かるような気もする) またとにかく「ブラヴォー」と叫びたい人も(おんがくを好きかもしれないけどホールでの作法やマナーに無頓着な人)少数ながらいるのでしょう。でもやっぱり「金返せ」となるかもしれませんね

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