2017-10

2015・4・20(月)プレトニョフ指揮東京フィルの4月定期中止

 ミハイル・プレトニョフの指揮でグリーグの「ペール・ギュント」(劇音楽版)を演奏するはずだった東京フィルの4月定期公演が、直前に中止となった。プレトニョフの急病による来日中止が理由と発表されている。

 ぎりぎりまで様子を見ていた上での決定発表と思われるし、この曲の指揮は余人をもって替えがたい、他のプログラムと指揮者に変更するには時期が遅い、仮にその別の企画を即席で公演しても聴衆の満足を得られるような水準は保証しがたい━━とか、いろいろ裏の事情があるらしいから、仕方がないと言えば仕方がなかろう。

 とはいうものの、歴史のある大オーケストラが、指揮者が急病になったからというだけで定期演奏会を中止するというのは、前代未聞の珍事ではある。
 定期公演というのはオーケストラにとって最高のステイタスともいうべきイベントであり、それだけは石にかじりついても絶やさずにやるのだ━━というのが、昔からプロの鉄則といわれていたからだ。

 たとえば第2次世界大戦末期の1945年、すでに焼野原となっていた東京で、日本交響楽団(現NHK交響楽団)がぎりぎりまで定期公演を絶やさず必死に続けていたことは、よく知られているだろう(6月公演をもって定期を打ち切ったのは、陸軍の「本土決戦」方針が伝えられはじめたからだったといわれる)。しかし日響は、8月15日の終戦のあと、9月には、廃墟の中で早くも定期を再開したのだ。

 ・・・・今は特に音楽に飢えているわけでもない飽食の時代、たとえステイタスの定期と雖も、そこまでムキになる必要はない━━というのが現代のオケの本音なのかもしれない。どちらが適切であるとは一概に言えないが、時代が変わったことだけは確かであろう。

コメント

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緊急避難的プログラムすらも組めない――ということなのでしょうか。これは楽団の持つ現状の能力を露呈している?
多分、手を挙げる若手指揮者はいるはずです。もちろん能力もあって…。
昔はそういうイレギュラーも、一つの楽しみとなりました。
まあおそらく今はそういうことを許さないような聴衆が増えてきたのではないかとも思いますが。
払い戻しの選択肢を用意しつつも、「どうだ」とばかりに面白いことも急場でもできる力量を見せてほしいものです。

そもそも東フィルが、主催公演をあまり重視してない感じがします。指揮者団に関しても、いつの間にかエッティンガーの名前が消えるなど、ポリシーの稀薄さが気になります。
老舗なのと名前の良さのおかげで、NHKや新国立劇場など外からの仕事に出ていれば、ある程度経営が成り立ってしまうからではないでしょうか。
だからプロフィールから「新星日響」を消し去って、営業時の説明のしやすさを最優先しているのではと、穿った見方もしてしまいたくなります。

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私もまったく同感です。不戦敗みたいな……。何か表に出ていない事情でもあるのかと勘ぐってしまいます。

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指揮者氏は、タイ国での児童買春容疑で逮捕(その後釈放)され、
久々の社会復帰。いくら芸術家とはいえ、そういう人を常任指揮者
に奉るオケ経営陣の判断ですから。
ピアノソロでの様子でも、精神的におかしい雰囲気が出ていました。
体調不良によるドタキャンは十分予想されたことでした。

東フィルが、ポップス歌手のなんちゃってフルオケ伴奏公演に出る
ギャラを知って、意外に高くてびっくり。経営安定のための出稼ぎ
と理解していますが、定期公演はおろそかにしてほしくないね。

まあたしかにかなり特殊なプロなので三日間も代役等はきついと思われたかもしれません。ですがたとえば歌手もいたのですから、歌唱付きによる同曲の組曲と交響曲というかんじの、オール・グリーグプロという意趣はそのままにしたプロを代行し、それにより次の機会の全曲公演への期待繋ぎ+珍しい曲との抱き合わせというプロをやろうとか、そういう案すらも浮かばなかったのだろうか。このプロだったらできる指揮者だってそんなに限られたものでもないだろうに。ただそれ以上に思ったのは、自分たちのオケだけでは三日間も公演はもたないと、そう思われてもしかたのない判断をしたこと。これって上の方が自分たちのオケに対して自信ももってなければ信頼もしていないと思われるような、そういう事務方と現場の信頼関係が疑われるような行為であるという、かなり芳しくない要素を含んでいることを誰も感じなかったのだろうか。今回の聴衆の受けた失望感はけっして部分的でもなければ小さいものでもなかったと思います。言い過ぎかもしれないけれど、そこのところがいちばん残念でした。

定期会員です。私は、同じプロダクションがあとに有るなら、プログラム変更もありと思いますが、わざわざ、全曲版だからと1回券を買った人はどう思うでしょうか?チケットの裏に出演者、曲目変更ありとは書いてありますが、別プログラムをしたら羊頭狗肉にならないでしょうか?今回の内容では、歌劇場でフィガロをすると宣伝して、椿姫やったら怒る人もいるでしょう。短期的に見たらやってほしかったと思いますが、判断は今回の全曲版を早いうちに定期にのせること、かつ、その演奏会が良ければ、中止(延期)したことも理解してあげたいと思います。
また、定期会員で継続的に聴いていますので、コメントしますが、注目公演でないときや他に注目公演があって人の入りが少ないときに良かったと思うこともよくあります。人数が多く、初台ピットとどう人選しているか分かりませんが、定期演奏会を軽視しているとは思えません。コメントで定期軽視と書いている方で、会員の方は、会わないのなら、都内には色々なオーケストラがあるので、自分の合ったオケを選べば良いと思います。また、非会員の方ならシリーズを全部聴いてから行ってもらいたいものです。

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今は昔

当方既述致しましたが、「定期会員です。」殿のようなお方様がもう少なからずいらっしゃるような時代になってしまったのだと改めて思いました。

(払い戻しの選択肢を残しつつも)意地でも定期をやり抜く、しかも当初のプログラムを凌駕させて聴衆を必ず満足させるぞというような気概が大事であり、それを乗り越える力が楽団をさらに大きくする――。このことは、楽団関係者のみならず、一昔前の聴衆にとっても至極当たり前の事でした。東条先生もそれを文章の向こうに置かれていらっしゃるのだと思います。
嗚呼こういう考え方も、今の軽薄社会にあっては、“今は昔”となるのでしょうか。寂しいものです。

しかし、です。

定期会員の方にチケットを譲っていただき、いくはずでした。それはそれは楽しみにしておりました。クラシックファン以上に、プレトニョフファンですから。しかし、です。4月5日に最愛のお母様を亡くされました。そして彼は58歳。具合も悪くなります。だってたった一人の肉親が亡くなったんです。そしてかの作品は芸術監督もつとめていて。そんなに簡単にプレトニョフの代役を引き受けられるひとはいないのでは?5月のロシアでの公演の映像でも、彼はすっかり憔悴しきっていたように感じました。ともあれ、6月27日の調布音楽祭では素晴らしい笑顔と共にいつものプレトニョフとRNOの作品を聴く事ができました。10月の定期公演に期待しましょう!!

次回に期待!

定期会員です。私もプレトニョフのペール・ギュントをとても楽しみにしていましたが、お母様を亡くされて体調を崩したと聞き、代理の指揮者による公演より、元気を快復した彼の演奏が聴きたいと思いました。今日はシビックホールでのRNOとのラフマニノフ、素晴らしかったです!近いうちに新鮮でオリジナルなペール・ギュントが聴けるのではないかと期待しています。

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