2017-06

2015・4・13(月)METライブビューイング「湖上の美人」

   東劇  7時

 3月14日MET上演のライヴ映像、ロッシーニの「湖上の美人」。METではこれが初めての上演だそうだ。

 さほど熱心なロッシーニ・ファンとはいえぬ私でも、これだけの歌手が登場し、揃いも揃って見事な歌唱を聴かせてくれると、理屈抜きにわくわくさせられてしまう。
 主な配役は、ヒロインのエレナにジョイス・ディドナート、ウベルト(スコットランド王)にファン・ディエゴ・フローレス、マルコムにダニエラ・バルチェッローナ。それに、ロドリーゴのジョン・オズボーンを加えた主役歌手陣が、負けじと張り合って素晴らしい歌を聴かせるさまは、まさに壮観である。

 2人のテナー、フローレスとオズボーンがハイ・Cを連発して応酬する決闘場面など、音楽的にも痛快無類そのものだし、これにディドナートが加わった三重唱場面の緊迫感も圧倒的だ。何となく物凄いメークでド迫力を出すバルチェッローナの安定した風格にあふれる歌唱も、さすがというほかはない。

 ミケーレ・マリオッティの指揮は手堅いが、名歌手たちをこれだけ生き生きと歌わせることができるのは、それ自体が立派な力量と評されるべきだろう。
 演出はポール・カラン、舞台装置と衣装デザインはケヴィン・ナイトで、最後のハッピーエンド場面はやや類型的ながら、充分に華麗ではある。その他の戦闘場面などは、この映像収録では比較的狭い範囲の舞台しかとらえられていないが、その範囲で言えばまとまりはいい方だろう(METの広大な舞台枠の中でこれがどの程度のインパクトを出していたのかは判らないが)。

 それにしても、歌、歌、また歌、さらに歌、といった感のあるこのオペラが、同時に、いかに多彩で精妙な管弦楽法にあふれているか、驚異的というほかはない。
 今回の案内役はパトリシア・ラセット。彼女も進行とインタビューが巧い。これが巧い人だと、歌手たちが生き生きと楽し気に喋る。今日もディドナートやフローレスのインタビュー・シーンは、実に楽しい雰囲気だった。

コメント

インタビュー二題

幕間のインタビューで、ホステス役の歌手がいつも判で押したように
「やっぱりナマが最高、是非ローカルカンパニーの公演にも足を運んで」
と言っているのだから、3000円以上も払って映画を観るより新国立劇場
のライブを観たほうがいいと思うのだけど、これほどのキャストなら
やはり観に行ってしまいますね。同じ日に京都で観ました。

幕間のインタビューはいつも面白いのですが、今回はそれが二つ。

① バルチェッローナとのやりとり
「最近は、アムネリスのような重い役も歌うけれど、大丈夫?」
「ロッシーニとヴェルディでバランスを取っているから大丈夫
ロッシーニは喉に優しいし、考えながら歌えるし。ヴェルディ
はただ歌うだけだから」
それはないだろうと思うんですけどねえ。

②ディドナートとのやりとり
「ロッシーニもだんだん重い役に移ってきているのはどうして」
たったひと言、"L'età!" (年齢のせいよ) … 語尾はアクセント
付きのa
「おばさん」とかの字幕になっていましたが、ここだけイタリア語
だったような。だとすると、オペラ歌手同士の会話だから通じるけど、
普通のアメリカ人には解らないのではないかなあ。

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