2017-11

2015・4・11(土)高関健指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

     東京オペラシティコンサートホール  2時

 新しいシェフを4月に迎えて沸き立っているのは、東京都響だけではない。今年が創立40周年にあたる東京シティ・フィルも、新しい常任指揮者に4月から高関健を迎えた。
 今日がその新体制による最初の定期公演である。プログラムは、スメタナの連作交響詩「わが祖国」全6曲だった。

 私は━━特にこの数年は━━シティ・フィルの定期にそう多く通っていたほうではないから、口幅ったいことは言えないけれども、このシティ・フィルがこれだけ燃え立ち、怒涛の演奏を繰り広げたことは、そう多くなかったのではないかという気がする。

 1曲目の「高い城」から強烈なデュナミークの対比と表情豊かな音の起伏が聴かれたし、続く「モルダウ」の後半の「激流」部分では、まるで怒りの爆発のような激しさに驚かされた。「シャールカ」では前半の叙情的な美しさと後半の劇的な昂揚の対比に、高関の設計の巧さが感じられただろう。
 そして、休憩後の「ボヘミアの森と草原から」での緊迫感あふれる奔流のような演奏は、私が聴いたこの曲の演奏の中でも、最も優れたものの一つと言っていいほどだった。

 「ターボル」「ブラニーク」も、速めのテンポと激烈なデュナミークで追い上げ、息もつかせぬほどの迫力をつくり出す。実に見事な演奏だった。
 ただし欲を言えば、「ブラニーク」中途までの盛り上がりがあまりに烈しかったので、最後のダメ押しの頂点たるべき個所が、それらを上回るまでには・・・・ということか。
 とはいえ、最後のトランペットの跳躍と、全管弦楽がたたきつける和音とが応酬する個所での、高関さんの劇的な左腕の動きには息をのまされた・・・・というのが正直なところである。

 マエストロ高関のオーケストラ・ビルダーとしての手腕と、アンサンブルづくりの巧さには、絶対的な定評がある。かつては群馬交響楽団を見事な水準にまで高めた人だ。彼なら、このシティ・フィルを再び強固なオーケストラに高めてくれるだろう。久しぶりに、東京での彼の本領発揮の場面が出て来たようである。シティ・フィルの新たな活動にも期待したい。
       ☞別稿 モーストリー・クラシック 7月号 公演Reviews

コメント

今後に期待

見込み通り良かったけれど、ここ一連の外人指揮者との協演に比べて音色が今ひとつ。細かいところで整理がついていないと言うか。このオケは、潜在能力はあると思うので、今後に期待。

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>彼なら、このシティ・フィルを再び強固なオーケストラに高めてくれるだろう。

意味深な物言いですね。オーケストラの後任選びってほんと難しいと思います。前任者の遺産を全部更地にしてしまう人もいれば、うまく受け継ぎ大輪の華を咲かす人もいる。ただ案外こういう目利きは定期会員の方の方が確かなことが多いようです。たまには会員から次期常任等のアンケートなどをとるというのもいい参考になるかもしれません。

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